「フランスで最も美しい回廊」と呼ばれる風景。
スペインとの国境に接するミディ・ピレネー地方、首都トゥールーズから７０キロ余り行ったところに、モワサックという街があります。ガロンヌ川のほとりにあるこの小さな街を世界的に有名にしているのが、素晴らしいロマネスク様式の教会と、そこに併設された修道院です。
この回廊は、その修道院の中央に設けられたもので、この地方特有の薔薇色を帯びた石で造られています。１本と２本の柱が整然と順番に配置されているのがご覧頂けるでしょうか。手前の角柱は、南仏ロマネスクの特徴である、厚紙のようなタッチの彫刻で飾られています。
中庭の中央には大きな松の木が立っていて、早朝の一時間、誰もいない美しい回廊を独り占めして、この石の端に座っていました。