◆ 集い前日から当日の朝 ◆

　蓬莱オフィスとの刃傷沙汰寸前の交渉が実り、無事前日の大阪入りをもぎ取った虚海麒麟。
　９月１７日午後３時、キャリー・バッグに芥瑚方への愛を詰めて、東京を出立いたしました。
　かつて幾度もの辺境放浪を連れ添ったこのバッグの中身は、３分の２が酒瓶。手荷物の余りの少なさに、空港税関で呼び止められたことは多々ございますが、もし大阪の関所にセキュリティ・チェックがあれば、
　「これほど大量のアルコールを持ち込むとは怪しい奴。ここで成敗してくれる」
　とばっさり斬り捨てられるのではないか…と道々考えたことを、ひっそりご報告申し上げます。

　新大阪駅に着いたのは夜の７時過ぎ。これが初の大阪上陸となるわたくしめ、まずは周囲の方々が絵に描いたような大阪弁をお話しされていることに、深く感銘を受けました。…おお、なんとリズミカルなその響き！　
　普通のおしゃべりがすでに漫才に聞こえるのは、集いを明日に控えた麒麟心のなせる業でしょうか。
　「むむ、駅ビルの中にもたこ焼き店が！」「んー、東京とは気候も違うのか。少し蒸し暑いぞ…」
　としばし散策を楽しんで、無事ホテル到着と相成ったのでございました。

　大阪の陣開幕は、翌日９月１８日（日）の１３時。諸々の準備のため、会場へは１２時過ぎに向かう予定です。
　それまで麒麟が何をしていたかと申しますと…
　　煩悩の成文化でございました。（←もしもし？）

　昨日の出立間際、事前のご挨拶を専用ＢＢＳにお送りしようとしたところ、突如わが煩悩シアターが上映を始めたのでございます。しかもとっても活発に。（落涙）
　道行くおばちゃんに聞いて近くの喫茶店に飛び込み、珈琲を片手にボールペンを走らせながら、麒麟は呻くように思いました。
　…お願いです、わが煩悩よ。

　大阪公演の前後くらい、休ませてくれてもええのんと違いますか。
　

◆ 開幕は花のように・昼の部 ◆

　まず最初に控え室でお逢いしたのは、昨年の集いにもご参加下さったありあさま。抱擁とともに再会を言祝いだ後、会議室に向かいました。
　陽射しも明るい部屋の中、テーブルを並べたり椅子を整えたりしている内に、芥瑚方が次々とご到着になられます。
　こちらでよろしいのかしら…と、ひっそりお顔を覗かせる方々あり。大きな紙袋を手に入り口に立ち、ほっとした表情になられる方々あり。６月のイベントですでに拝謁を済ませていた芥瑚方も、今回初めてお目にかかる芥瑚方もいらっしゃいます。
　「初めまして。貴女の麒麟でございます」とうやうやしくご挨拶申し上げながら、返す手ですかさず名札をさし出したご無礼を、どうかお許し下さい。

　…さようでございます。
　この大人数が親密な会合の妨げになってはいけないと、事前にひなたさま＠現地幹事と示し合わせ、麒麟はおひとりずつに名札をご用意申し上げていたのでした。
　ご歓談準備、これでばっちりです。（←拳を握ってみたり）


　そうこうする内に会場では、セッティングした長卓でさっそく美琴さまがケーキ入刀。…おさすがです（笑）。麒麟もその脇で李春さまとご一緒にお手製のパウンド・ケーキを並べます。（お傍に侍る幸せ…）
　廊下の向こうから近づく王気にひょいっと顔を覗かせると、ご一緒にいらした千美さまと水蓮さまが！
　再会と初めましての喜びを胸に、優しいお二方をいそいそご案内申し上げ、綺麗な紙ナプキンまでご用意下さっ たキュートな四季さまのお土産クッキーを並べていると、背後から迫り来る荷物の山が…！

　…と思ったのは、現地幹事のひなたさまでした。おお、姐御！
　「はー、遅れたー！」と開口一番非常に漢前な台詞を吐かれ、再び荷物を取りに戻って行かれるお姿を追って慌てて廊下に出ますと、そこにはもうお一方の芥瑚が。
　にっこりお名前を伺った麒麟に「さあ、誰でしょう」と返された薫子さま。
　…申し訳ない。それだけでは分かりません（涙）。

　そして、おっとりふんわりお姿を現されたPappaさま。先日晴れてリクエスト主としてお迎えし、今回が嬉しい初おめもじでございます。（うきゃ♪）　優雅な庭師の心意気、花を手にお越しになったちょこさま。 ああ、ご自身が花だと申し上げましたのに…！（←真顔です）
　はちみつさまがおいでになったときには、「ご予告どおり、出会いがしらに抱擁タックルか…！」とどきどきいたしましたが、入室してこられた須美子さまがぎゅっと手を握って下さったときには、照れくささのあまり転変寸前だったことを、胸を抑えてご報告申し上げます。

　
　甘いものあり、辛いものあり。各種ソフトドリンクに混じり、到底昼とは思えない量の酒瓶も。
　芥瑚方のお心づくし満載のテーブルが窓際で、嬉しい悲鳴をあげる中、まずは上記の方々と最初の祝杯。珠樹さまの名代・天山酒造『蛍川』もここでうやうやしく開封、テーブル上にはSAEIさまの名代・ドイツパンも すでに切り分けられております。

　時計が少し回る頃、もうお一方の芥瑚が。お名前を聞くより先に、お手元の柿の葉寿司の包みに目を留めた麒麟は「…たまさまだ」と確信いたしました。ようこそでございます！（←決して寿司ではなく）
　直前までご参加予定ながら、急な御用でご参加が叶わなかった杏さまが南方からお電話下さり、携帯電話が順番に芥瑚方のお手を回って参ります。（杏さま、次回こそでございますよ！）
　最後には北の国からお越し下さったヨウ香さまのご登場。…本来なら転変してお迎えに上がらねばならない遠路、よくぞご無事に…！（抱擁とともに涙）


　かくしてすべての芥瑚方が無事お揃いになった宴の席。『リアル芥瑚の集い・大阪の陣』・昼の部の宴が和やかに始まったのでございます。
　…蓬莱に咲く常世の花々とも、虚海で結ばれた豊饒のご縁とも形容すべきあでやかさ。
　この麗しくも胸を打つ光景を、いったいどのようにお伝えしたらよいのか。
　麒麟は今も思わずキーボードを叩く手を止め、込み上げるものを抑えております。
　皆さま方のほとんどが初対面であるにもかかわらず、物柔らかにご挨拶なさり、打ち解け合い、笑顔とともにご歓談なさる花のようなお姿は、終始感動の一語に尽きました。

　…その詳細なご様子と麒麟の喜びは、第二部にてお届けしたく存じます。