昨夜遅く、投票所の赤いグラフを眺めつつ、麒麟は夏の新刊について思案しておりました。
　さて、どれを収録しよう……これは有力候補かな、でもあれと合わせると全体のバランスが……いや、ならばこっちの方が収まりがいいような……と、煩悩は相変わらずエンドレスです。
　ため息をつきつつNovel頁に立ち戻り、ぐるぐる頭を抱えていたところ、唐突に蒼猿が登場いたしました。
　　「だったらもう一冊作っちゃえば？」

　――なんですと。

　唖然とする頭の片隅で、煩悩がすかさず回転を始めます。
　これをメインにして、あれとそれを持ってきて、プラスアルファを入れれば……確かに……
　すこぶるまとまりがよろしいではありませんか。（←卒倒）

　「でもだめ、それは今年後半の楽しみにとっておかなくては…！」と思う一方で、
　「もし世界的祭典にスペースが取れるなら、せっかくだし２冊作ってみたら？」と蒼猿がそそのかします。
　「もう頭の中では、タイトルから表紙デザインまで完成してるくせに」
　……そのとおりですがな。（←遠い目）

　腹を括って暴走すべきか、ここは一発こらえるべきか。もう少し考えてみなくては…とうなだれる麒麟は、
　　「投票所にお寄せ頂く票やコメントは、このようにリアルタイムで、煩悩に多大な影響を及ぼしております」
　と、改めてお礼を申し上げたい気持ちでいっぱいだったりします。
　……もじもじ（照）。


　改めましてごきげん麗しゅう、マドモアゼル方。
　この週末からGW、中２日も休んで９連休（！）というブルジョア芥瑚もおいででしょうか。
　「…ふっ。ＧＷもばっちり仕事なのよ…」と遠い目をなさったプロレタリアートなマドモアゼル方。
　……ご案じなさいますな。
　来週月曜から数回に分けて、煩悩の虚海よりＧＷ臨時企画をお届けいたします。何やら毎年恒例となった感もあるこの企画（笑）、休暇のひとときにお楽しみ頂けますと、麒麟もとても嬉しく存じます。
　かくいう麒麟も月曜は休み、晴れて黄金休暇のスタートでございます。心ゆくまで海に潜ったり、友人や家族と行き来したり、合い間には獣形でねそべったり…と、蓬莱のあちこち（笑）から更新をお届けする予定です。

　また、ご参加頂いている小説投票所も、今週末で折り返し地点を迎えました。
　休暇前の仕事を片付けている最中にも、ふっと頂いたコメントを思い出すことがあり、そのたびにじわっと俯いてしまったりして、心ここにあらず…な幸福を味わっています。
　休暇の始まりとともに、『探水師』の第参章をお届けする週末。すべてのマドモアゼル方、どうぞ素敵な黄金週間をお過ごし下さいますように…。
　

　……と、投票所を……
　桜色の煩悩前線が北上しております、青将軍。（←卒倒）


　前回の雑記でご報告した上位２作の順位が、週末に初めて入れ替わったのを目撃したときには、文字通り卒倒するかと思いました……。
　その後ふらふらと外出した麒麟は、迷える心につけ込まれたのか、あざやかなトルコ青のロング・スカーフなどをうっかりさっくり購入してしまい、いろいろな意味で予定外の週末を過ごしました。
　……はふ。

　投票所を通して、いつもにもまして近しく皆さまとおしゃべりをしているように思える、第２ラウンドの月曜日。まずは心からの感謝とご挨拶をお送り申し上げます、愛するマドモアゼル方。
　今回の投票結果は、次回新刊の内容にも反映される予定……と一度言ってしまったからには覚悟を決め、心を強く保たねばならぬ、と衝立の陰で自らを叱咤する今日この頃。
　いや、後で順位が入れ替わった例もあるし、そもそも予想を立てて当たった試しがないし、と千々に乱れる心を、いったいどちら方面に向かって強く保つべきなのか、さっぱり分からなくなって参りました（涙）。

　とはいえ相互コミュニケーションの喜びは、そんなためらいを吹っ飛ばすほど大きく、頂く票やコメントを日々心から嬉しく拝見しております。
　マドモアゼル方。収録作品などのリクエストを含め、「何だかひとこと言いたくなってきたわ…」とお思いの際には、どうぞご自由にコメント鸞（笑）をお使い下さいましね。
　頂いたご要望は無駄にはしない、という煩悩的倹約精神に満ちた麒麟が、引き続きのご参戦を心からお待ち申し上げております。（しずしずと伏礼）



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　◇　小さなお知らせ　◇

　通販頁でご案内している『連作集／自由、夜』が、おかげさまを持ちまして残部も少なくなって参りました。　
　初版から再々販まで、里親となって下さった多くの方々に、改めましてお礼を申し上げますと同時に、ご興味がおありの方、どうぞ引き続きご利用下さいますように…。
　

　春眠暁を覚えず、と申します。
　今朝も深い眠りからぼけーっと目覚めた麒麟は、朝の一歩で目覚まし時計を踏み潰してしまいました。
　それでも半分ねぼけたまま歩き回り、ふと振り返ると、床には点々と血痕が記されていました。
　――春の朝、ひとりスプラッタ劇場。

　「仕方ないか…今の長編は怪奇譚だし…」と相変わらず阿呆なことを考えつつも、ちょっぴり足の裏が痛い金曜の夜でございます。 ごきげん麗しゅう、愛するマドモアゼル方。


　まずは第一ラウンドを回った投票へのご協力、改めまして心からお礼を申し上げます。
　真夜中に次章の推敲を進めながら、ふと衝立の陰から伺い見ると、リアルタイムで新しい票やコメントを頂いていたりして、とても嬉しかったことが何度かありました。
　そのたびに、「えーと…（照）　じゃ、もうちょっと続けようかな…」といそいそ愛機ハンキョに向き直った挙句、めぐりめぐって時計を踏み潰してしまったりするので、これまた油断大敵なのでございます。（←は？）

　第一ラウンドの中間報告を申し上げますと、まずは３位以下が文字通り一直線に並んでおりまして、「こういう形は、今まであまり見たことがないかも…」と衝立の陰で訳もなくはらはらしております。
　とはいえ、最初の順位が後に大きく入れ替わったことも多々あり、オークションご落札の目測を外し続けるアナリストの予測でもあり（涙）、混戦もまた楽しからずや春の宵、でございます。
　そして上位２つは、２周年記念小説・及びＲ＆Ｂ台輔の一騎打ち。

　……げ、現在のところ、適切なコメントが見つかりません……。（←泳ぐ視線）


　そして今週末も無事に、投票所から王気を頂きつつ推敲を進めた『探水師』・第弐章をお届けいたします。
　全７章という長さにも関わらず、１ファイル辺りの平均字数を軽く飛び越えてしまった今回の章を見るにつけ、「字数けち」の二つ名は返上すべきかも知れないと、いささか悩んでおります…。
　

　週の真ん中、臨時更新のボンソワールでございます、マドモアゼル方。
　本日は前回の雑記に続き、「長編をめぐる考察・その２」について述べさせて頂きたく存じます。

　下記で申し上げたように、長編を書く際のもやもや感は、「字数けち」という後天的性質のせい。
　そしてもうひとつ、長編を連載する前に、いささか居住まいを正さざるを得ないのは、この抜き難い放浪癖＠先天的体質のせいだったりいたします。

　長編を一定のペースでお届けするには、当然ながら、章数と同じだけの週末が必要。
　そこで連載前にはカレンダーを眺めつつ、
　「全７章か…。ならば少なくともこの先７週間だけは、気がついたら辺境に出奔してたとか、バイクで事故を起こしちゃったとか、そういう事態は回避せねばということだ。うんうん」
　と自らに向かい、阿呆かつ真剣に言い聞かせるのでございます。

　たとえ精神的なものに過ぎなくても、好きなときに好きなところへ行ける環境を好む、という放浪癖のためか、確実に把握できる短い単位で、時間や物事を区切る癖がついてしまっているらしく、長編のために先の時間を確保する…というのは、結構どきどきすることだったりいたします。
　ならばそれが苦痛かと申しますと、それがまったく正反対。
　煩悩を携えて電子の虚海を渡るのは、辺境放浪と同じくらい大きな喜び。週末のモニターの向こうには多くの芥瑚方がおいでだと思うと、この喜び は増しこそすれ、とーんと褪せる気配はございませぬ。
　サイト開設を経て初めて気がついた、この第３の性癖。……これを俗に麒麟体質と申します。


　――はたして分析になっているのか、いないのか。
　内心激しく首を傾げつつ、そそくさと御前を辞し、これより『探水師』・第弐章の準備にかかりたく存じます。
　それでは、マドモアゼル方。金曜夜の更新で再びお目にかかりますね♪　（苦し紛れに、にっこり）
　

　――何度経験しても、やっぱりひどく緊張いたします。
　更新して、開場して、速攻で退散。翌日ようやくひっそりと拝見＆しゃがみこんで安堵。
　――何度経験しても、やっぱりすごく嬉しいです。（涙）

　まずは上記にて、週末開場した投票へのご参加、心から御礼申し上げます。
　何と申しますか、本当にこればかりは、毎回素直に嬉しいのです…。
　ひとつの小説を書き上げるのは、当然ながら誰の手を借りる訳にも行かず、基本的にひとりだけの作業。
　ですが、そうしてお届けしたものが決して一方通行ではなく、モニターの向こうではこんな風に受け取って頂いてたんだ…と実感できるのは、何よりこうした機会なのです。
　たった今も、頂いた票やコメントを拝見しながら、時差を経て返ってくる幸福をしみじみ味わっています。
　静かにひとポチを下さったマドモアゼル方、そして色とりどりのコメントを寄せて下さる芥瑚方。お名前を添えて下さる方々もおいでになり、愛機ハンキョ越しに手を振りつつ拝見しております。（編集の折には千本ノックのお返事を、と今からスイングの練習も怠りなく…！）
　まだ始まったばかりの相互コミュニケーション愛護週間。衝立の陰で迷っておいでのピュアなマドモアゼル方も、もはや解説不要・歴戦芥瑚（笑）の皆さまも、引き続きお気軽にご参戦下さいましね♪


　雑感１）　毎回どの作品がどの位置に来てもびっくりなのですが、今現在のトップが２周年記念作品である
　　　　　ことに、まずは最初の「！」、そして心中最ものけぞっているのは、「２位にＲ１６」というゆゆしき事実
　　　　　だったりいたします…。

　雑感２）　そして今回雑記の冒頭３行を記しながら、「まるで気分はマドンナの『like a virgin』みたいなんて…
　　　　　いくらなんでも書けない…そんなこと…」ともじもじした挙句、結局我慢できずに書いてしまう自分を、
　　　　　いい加減どうにかしたい。…と思う今日この頃です。



　……えーと、こほん（照）。
　前々回の雑記で、長編についてお尋ねしたところ、「…ふっ。今さら何を」と温かいハリセン青鳥を多々賜り、ほっと胸を撫で下ろしました…。
　書くこと自体に抵抗はないのに、このもやもや感は一体どこから来るんだろう…としばし黙考した挙句、主な理由が２つあることに気づきました。
　……ひとつは後天的体質、すなわち「字数けち」でございます。

　これまで文章を書いた経験といえば、学生時代の論文や蓬莱オフィスのレポートといった、簡潔かつ明快な展開・結論を以って旨とするブツばかり。つまり、「可能な限りそっけなく、あたかも景台輔の如く」というのが、わが文章における至上命題だったのでございます。
　故に煩悩シアターの映像も、文章化するのはごく一部。可能な限り字数を削ぎ落とし、残る空白は行間にゆだねたい…という一見緻密、実は大変アバウトな性癖が、長編に警鐘を鳴らすのでございます。
　――それだけの字数が必要なブツなのかどうか。胸に手を当ててよーく考えなはれ、と。

　内なる蒼猿に改まってそう問われると、「…うっ」と言葉に詰まる字数けち。
　従って長編には、その蒼猿を吹っ飛ばすだけの勢いと煩悩が必要なのでございます。

　「ほな、雑記が長いのは何でやのん！」　…というハリセンは別途頂戴しますとして、残るもうひとつ＠先天的理由については、また日を改めてお届けしたく存じます。
　投票も始まったばかりですし、あさって水曜の夜辺りには臨時で雑記の更新を…と再度の逢瀬を願いつつ、マドモアゼル方、しばしの退出をお許し下さいませ。（しずしずと伏礼）
　

　大方の地域では桜も花開き、近所の猫も恋の季節を迎えました。
　麒麟も放浪魂を一時折伏、煩悩の虚海で快泳中でございます。
　――愛するマドモアゼル方。
　ここで一発ご一緒に、ささやかなひと月の宴＠春の企画と参りませんか？（←ばっちり口説き体勢）

　まずはトップ頁、右寄り上部をご覧下さいませ。
　本日よりしずしずと、春の小説投票所を開場いたしましてございます。……蓬莱芥瑚なるマドモアゼル方。
　当サイトの小説でお気に召したものがおありでしたら、「ぽちっ」となさって下さいますか？

　対象となるのは、『夏の嵐』から『半島の地図』までの１２作品。長編・中篇・リクエスト小説、コラボレーション作品もございます。またNovel頁からは別窓にて、同じ会場へとお越し頂けます。
　いつものようにコメント・スペースもご用意しました。普段は言えないあんなことやこんなこと（笑）、こちらへとご自由に女怪の囁きをお寄せ下さいませ。
　開催期間は１ヶ月。複数投票もばっちりOKでございます。
　お好きなものにいくつでも、清きひとポチをお寄せ下さいますよう…。

　そしてもうひとつ、頂いた票とコメントは、今夏発行予定の新刊収録作品にも反映される予定でございます。（おそらく、その次の本（！）にも…）
　また、お寄せ頂く女怪魂が、煩悩シアターにリアルタイムで影響を及ぼすことは、過去の事例から見ても「…ふっ。今さら何を」的事実だったりいたします（笑）。

　期間中たくさんの方々にお逢いできるこうした企画は、拙作を俎上に晒す恐ろしさを差し引いても（涙）、相互コミュニケーションを心から愛する管理人にとって、頂いたご縁がもたらす最大の喜びです。
　いつもこんにちは♪の芥瑚方も、おひさしぶりのマドモアゼル方も、そして最近嬉しいご縁を頂いた方々も。
　ＧＷを挟んだ春の一ヶ月、どうぞお気軽なご参加をお楽しみ下さいますように…。

　天山慶路・暁子　拝


　　　　　　　　　　　　　　　　　　◇　　　　　　　　　　　　　　　◇　　　　　　　　　　　　　　　◇


＞ういうーさま：　それはなんと楽しみな…！（喜）　はい、わたしも心から楽しみにお待ちしておりますね♪
　　　む、ではその前に必勝祈願をしなくてはなりませぬ。おお、それから新刊の準備も！（笑）

＞シンさま：　　お送り下さったメール、本当に嬉しく拝見しました。（日参、とは…本当に必殺の殺し文句…）
　　　長編はお好きと仰って下さるのですね（涙）。ではこれから７週間、麒麟とご一緒に、煩悩の虚海を遠泳
　　　して下さいますか…？（照）

＞ヨウ香さま：　ラブコール！（笑）　はい、それでは後ほどいそいそと算段をば…！

＞日さま：　本日先ほどばっちり受領いたしました♪　おお、どう料理してくれましょう…！（笑）
　　　ＰＣの復帰も間近と伺い、煩悩の虚海で手ぐすね引いてお待ちしております。ふっふっふ。
　　　

　…どうにか折り合いをつけたはずの放浪癖が、まだ尾を引いていると悟った月曜の蓬莱オフィス。

　「そういえば近頃、常軌を逸した遊び方をしていなかったっけ…」と反省した麒麟は、その場で臨時休暇をもぎ取り、退社と同時に愛車エストレヤにまたがってプチ放浪に赴きました。
　深夜まで友人たちとサルサを踊り、その後高速に乗って山を越え海に向かい、いろいろ（？）遊んで適当に野宿した挙句、家に帰ってきたのは本日の夕方。
　そのまま人事不省の眠りに陥り、つい先ほど目覚めたときには、自分が何をした挙句どこにいるのか、本気で思い出せませんでした…。

　迷える麒麟もここに至り、さすがに解脱したような気がいたします。…はふ。
　（案じて下さった芥瑚方、本当にありがとうございました。麒麟は無事御前に戻りましてございます！）


　…そして本日Novel頁にお届けしたプレビュー。
　「全５章になりました。てへ♪」とご案内したはずのリクエスト作品は、最終調整を経て全７章となりました。
　…これはもう、ひとえに煩悩シアターの目算違いと申しますか、「もうおなかいっぱい♪」と思い込んでベルトをゆるめたところ、さらに余地があることに気づいたと申しますか…。（←さすがに遠い目）
　台輔並みのため息とともに腹を括り、今週末からお届けする『探水師』。お楽しみ頂ければ本当に嬉しく存じます。

　（しおしおと伏礼した面をはたと上げて）　……マドモアゼル方。
　以前からお聞きしたいと思いつつ、上手な言い方が見つからなかったのですが……そのう、長編や連載は、お好きでいらっしゃいますか……？
　お届けする側といたしましては、何と申しますか、主相手に何とかプレイをしているような錯覚……に陥ることも多々あり（あわわ）、読み手の方はどのように感じておいでなのかと、徒然に思うことがあるのでございます。
　純粋な読み手に回ったときには、長編も何とかプレイも、むしろ大歓迎なのですが……。

　……ええと……何をお聞きしたいのか、さっぱり分からなくなって参りました（汗）。

　という次第でございまして、マドモアゼル方。
　放浪癖も無事一時折伏を済ませた麒麟より、一日遅れの更新をお届けいたします。
　４月なのに随分と冷え込む春の宵、どうぞ今夜は暖かくしてお休み下さいますよう…。
　

　自らの首を締める、とはこういうことを指すのでしょうか。

　前回更新でお届けした中国西域の風景は、何よりもわが放浪癖を直撃いたしました。
　あれから数日間、辺境を恋うるあまり食欲は落ち、音楽も遠ざけ、さしもの煩悩も棚上げ状態。
　今すぐ出奔できるなら、もう何だってしてやるちくしょうめ…！という、近年稀に見る重篤な発作です。

　こんなとき、ダイビングや小旅行でお茶を濁そうとするとかえって逆効果。（←前例あり）
　――ここは一発、何の関係もない素っ頓狂なことをしなくては。

　そう思い立った管理人はDVD＆VTR収納庫を漁り、極めつけにばかばかしい映画を引っ張り出しました。
　選んだブツは、映画１００−Qでもご紹介した香港コメディの傑作「少林サッカー」、同俳優・監督による「カンフー・ハッスル」。そして、タランティーノの浪漫が結晶した「キル・ビル Vol.1 & 2」、タイの実在ニューハーフ・バレー軍団「アタック・ナンバーハーフ」。終幕は、何よりタイトルが素晴らしい「おつむてんてんクリニック」で締め括ってみました。

　この捨て身の荒行により、確かに発作自体は緩和されたような気がします。
　――ですがその後、正気に戻るまで丸一昼夜を費やしました。

　今後一年くらい、シリアスな小説は書けないのではないか。
　と、激しく案じられてなりません……。


　　　　　　　　　　　　　　　◇　　　　　　　　　　　　　　　　　◇　　　　　　　　　　　　　　　　　◇


　そしてこの週末にお届けするのは、『半島の地図』。昨年の秋、心ゆくまで放浪を満喫した結果、うっかりさっくり着地してしまった煩悩の産物でございます。
　何と申しますか、こう……お届けするに当たって感じますのは……
　毎週きちんと更新しているのに、どうして半年も経たないと更新の順番が回ってこないのだろう。
　という素朴な疑問だったりいたします。（本当に、どうしてなんだろう…とほほ（涙））

　而して、やはり収まり切らない放浪魂。……ああ、愛するマドモアゼル方！
　「これがなくっちゃ禁断症状だわ」という何かが、皆さまにもおありでいらっしゃいますか？
　このやるせない浮民癖を、せめて電子の虚海を渡ることで慰めつつ、そこにいらっしゃる貴女、多くの芥瑚方おひとりおひとりが、何よりの慰めに感じられる今日この頃です。


ＰＳ：　青鳥をお送り下さったマドモアゼル方。サロンへと一部お返事青鳥をお送り申し上げております。
　　　　どうぞカウンターまでお越しの上、ご自分宛の一羽をさっくりと捕獲なさって下さいましね♪
　

　 風の強かった４月最初の月曜日。今日から新しい環境でのスタートを切られたマドモアゼル方も多くいらっしゃるとお見受けいたします。
　そんな春の嵐の本日は、門出に添えて新しいトップ写真をお届けいたします。

　今月の一枚は、中国西域の古都・敦煌。その郊外の砂漠に沈む夕陽の光景です。
　中央に小さく映っている三日月形の池は、月牙泉。見渡す限りの黄砂に周囲を埋め尽くされながら、このオアシスの縁にだけは緑の木々が育ち、瀟洒な仏教寺も建てられています。
　その背後、写真の左手にあるのは鳴沙山。強い風に舞う砂が、まるで鳴いているように聞こえることから、この名前がつけられたそうです。昼間は陽射しが強すぎるため、こうして夕暮れ時に訪れるのが良いらしく、風の強かったこの日、砂山は確かに低いうなり声を上げて鳴いていました。
　この夕陽が沈んでいく向こう、敦煌のはるか西方には、天山山脈が聳えています。険しい山脈を挟んで天山北路・天山南路に分かれる道の、ちょうど分岐点に位置しているのが敦煌。シルクロードの重要都市として栄えていた頃には沙州、砂の都と呼ばれていたそうです。
　ここから西へ、天山南路を辿っていけばタクラマカン沙漠を抜けてパミール高原へ、天山北路を取ればウルムチを抜けてカザフの大草原へ……

　……と、ここまで書いたところ、目の前がくらっとするほど辺境が恋しくなり……
　　思わず呼吸困難に陥ってしまいました。

　（錯乱しかけた辺境魂を抑えつつ）……という次第でございまして、マドモアゼル方。
　次回の放浪にはまだ少し時間がある（苦）麒麟より、当サイトの名前の由来にもなった中国西域の風景をお届けいたします。例によってお気に召しましたら、どうぞご自由なお持ち帰りを賜りますよう…。


　　　　　　　　　　　　　　　◇　　　　　　　　　　　　　　　　　　◇　　　　　　　　　　　　　　　　　　◇

　
　――春。罪深くも悩ましい、それは放浪の季節でもあり、煩悩の季節でもあり。
　今すぐ辺境へ飛んで行けないなら、せめて煩悩だけでも…！とお届けする今週のNovel頁プレビュー。

　……ハリセン片手にお見逃し頂けると、幸いでございます……。（←フェイドアウトで御前退出）