ご機嫌麗しゅう、心から愛するマドモアゼル方！
　先週は所用＆不調につき、心ならずも虚海渡りが叶わなかった分、本日はどっさり更新を抱えて呉剛環蛇をくぐって参りました。
　まずは９周年のページに、幕間と第３幕の二つのお届けを。ひとつは「今日は何の日？」的スペシャルになっております（笑）。
　こちらも残るはとっておきの大事な１枚のみ。どうか最後までお楽しみ頂けますように…。
　

　……実を申し上げますと、愛するマドモアゼル方。
　この２月も半ばに差し掛かり、新刊製作に打ち込む麒麟は、煩悩的不調に陥っておりました。
　これでもかと推敲を重ねているのにぴったりくる言葉が見つからない、先は長いのに進まない、おまけにこの期に及んでページ数が増えていく。
　ああ、神はついに我を見捨てたもうたか！　と頭を抱えていたそのさなか、煩悩に福音は訪れました。


　　　　　　　　　　　　蓬莱の名画師・日さまの挿画、見事に完成して堂々の到着。


　前回の本「Book of Years�T」の最初の挿画が、事前に何の打ち合わせもしていなかったにもかかわらず、煩悩シアターに映った映像と瓜二つで腰を抜かした…というお話は以前にお届けしたのですが、今回の挿画、特に最後に入る２枚の挿画には、「こういう空気を文章で表したい、けれど目で見ることは叶わないだろう」と思っていたものが、全部詰まっていました。
　あの瞬間の気持ちを何と言っていいのか、うまい表現が見つからないのですが、恥ずかしながら、ちょっと泣きそうになりました。

　……まもなく十年になんなんとする日さまとのお付き合い。
　そのご縁は、今やこのような未踏の段階にまで高められようとしているのか。
　これはもしや愛なのか。愛と呼んでもいいものなのか。いや、愛と呼ばずしていったい何としよう！！

　と怒涛の勢いで賛辞を奉ろうとした麒麟を遮って、日さま受話器の向こうで一言：
　「いいからそれより、さっさと打ち上げ温泉の計画を立てようよ」

　……はい。
　やっぱり愛はちっとも通じていない気がするのですが、だがしかし！　この挿画群の到着によって、不調は完璧に吹き飛んだ！　おまけにその向こうには温泉が待っている！！
　
　という次第でして、愛するマドモアゼル方。
　春の気配が届き始める頃の入稿をめざして、あともうちょっと、新刊製作に全力を注ぐことを、ここに誓約申し上げたいと存じます。
　皆さまもどうかお身体を大切に、そして今年もご一緒に春を迎えられますように…。




【２・２２にまつわるまったくの余談】

　世の中には「犬派・猫派」という区分けがあると聞き及びますが、それに照らしてみるならば、日さまは犬派、わたくしめは猫派。
　しかしながら、どちらも基本的に動物が大好きなので、お互いの犬猫の近況を尋ね合い、行き会った折には分け隔てなく可愛がるのを楽しみにしております。
　……あ。
　でも、以前ご一緒に旅行した際、バスの窓から木の枝にぶら下がったサルを見つけて、こちらは興奮しきりだったのに、隣の日さまは、「そんなのうちの裏山にもたくさんいる」と非常にクールな態度でした。

　サルはお嫌いですか、日さま。
　あなたの相方はマウンテンゴリラです。