先週末は意気揚々と（本物の）ジャパニーズ・シンカンセンに飛び乗り、日さまと打ち上げおめでとう温泉にしけ込んで参りました。
　日さま＠ものすごく腕のいいドライバーの運転する車でフェリーに乗り込み、出航後まもなくイルカの群れを目にしたときには、「ああ…我が脱稿を海神も寿いで下さる…！」と思わず目頭が熱くなったものです。
　美しい海と満開の桜で目を洗いながら、海の幸をたらふく詰め込み、湧き出ずる煩悩を互いのせいにし合い、岬から夕日を眺め、泳ぐのはやめなさい回収するのが大変だからと釘を刺され、一日一組しか取らないお宿で貸切状態の温泉を朝夕に堪能した週末。……嗚呼、愛するマドモアゼル方。


　　　　　　　　　　　　　地上の楽園は、どうやら西伊豆にある模様です。


　道中、個人博物館である象牙美術庫に立ち寄ったのですが、ここには、「こんな鄙びた場所に何故こんなお宝が！」とのけぞるような極上の象牙や玉の細工物＠中国産が多数展示されていて、二人して予想外の食いつきを見せたお宝スポットと相成りました。
　何だか面白かったのが、「互いに同じものを見て同じことを考えているのが分かる」という瞬間が何度かありまして、（ああ、どんな作品の挿画を依頼するときでも、この人とは打ち合わせが一切必要ない理由がよく分かったよ…）としみじみ感じ入ったのですが、こういう文章書きと絵描きの組み合わせなものですから、何かを見て胸にきざしたものを言葉にした途端、猛烈な相乗効果で煩悩が転がり出すのですね。
　……で、とある展示物から同時にインスピレーションを得て、ネタがひとつ出来上がりました。

　「いや、でもほら、今回はあくまでのんびりするのが目的だから、忘れたら忘れたでおひとつ」
　などと思っていたところ、なんと帰京後に日さまからダメ押しの電話がかかってきました。
　「あのストーリーの人物像、よくよく考えてみたらこれこれこういう方がいいんじゃないかと！」
　……なるほど。忘れるつもりは毛頭ないと。

　愛するマドモアゼル方。将来のいつか、西伊豆で生まれた煩悩を文章＆画の形でお見せできる日が来るかも知れません。
　そして今回も胸を打つ挿画の数々を描いてくれ、いつのまにか恒例になった打ち上げ温泉の計画を細やかに立ててくれた相方・日さま。
　ほんとにありがとう！　今回も皆さまにあなたの絵をお見せするのが楽しみで仕方ないよ！！




　……というところで、いよいよ今日の本題Part2に突入いたしましょう。
　
　先日脱稿して、今現在は印刷会社で製本中の５月の新刊。
　タイトルは、『Book of Years�U』。表紙のデザインとサブタイトルは、こちらをご覧下さい。→◆

　�Tの組み合わせがクマ将軍と元公主。では�Uの組み合わせは？　ということについては、実はもっと早くに種明かしするつもりだったのですが、
　「だめよ！ばらさないで！推理とセルフ焦らし何とかを楽しみたいの！！」
　というのけぞるような女怪方のコメントにより、「で、では脱稿の後に改めて…」とびびって引っ込めたという経緯がございました。
　わたくしは今、長年の便秘が解消したような心持ちでございます。はふー。

　収録作品は合計１０作、そのうち書き下ろし作品は３つ。
　『夏の終わりの薔薇』、『手紙、栞を添えて』、そして総集編的エピローグの『Book of Seasons -歳時記』でございます。加えてウェブ未発表の『秋風辞』（「樹の組曲・番外編」収録）が入ります。
　総ページ数は２９２ページ、そのうち書き下ろし作品は１５０ページ。ですので、全体の５２％が書き下ろし分となり、「樹の組曲・番外編」をお持ちでない方々には、全体の６３％が初読分となります。
　つまり、書き下ろしがどれもむっちゃ長いねん。ということでございますね。

　今までこの二人に正面からスポットを当てて書くことが少なかったこともあり、本当に楽しくてならず、だからこそ書いても書いてもページ数がエンドレス延長戦…という遺憾な事態が発生したのですが、終わってみると、嬉しくて満ち足りた気持ちしか残っていません。
　お届けできた暁には、どうか楽しんで頂けますように…と心から願っています。

　ひそっと付け加えますならば、�Tで登場した組み合わせは、�Uでも引き続き登場。また、ここは徹頭徹尾の景陽サイトでございますので、この二人もがっつり登場いたします。
　……そして、実は台輔の出番が結構多い。

　ということも、芥瑚な皆さまのハートにひっそりお伝えする次第でございます。




　とか何とか書き散らしているうちに！
　早くも５月のイベントの参加証が到着いたしました。ひゃっほう♪
　今回はプチオンリーにも参加していますので、ご来場の方々にさし上げる会場限定のアレコレも算段しなくてはなりますまい。煩悩の戦はまだまだ続く模様であります。押忍！！



　【最後にお知らせ】
　　イベント前の荷造り準備のため、通販は今週末、３月３１日（日）で休止いたします。
　　ご希望の方がいらっしゃいましたら、お気軽にお申し込み青鳥をお送り下さいますように。


　

　「今年の煩悩も快調なスケジュール、まるで世界に冠たるジャパニーズ・シンカンセンのようだ…」
　と余裕ぶっこいていたのもつかのま、蓬莱オフィスが思わぬ大波に見舞われて、この２月３月は史上３番目くらいの猛烈な忙しさでした。
　予算は止まるは為替は変動するはで、マドモアゼル方との逢瀬も阻みに阻まれ、虚海渡りも飛び飛びになってしまったことを謹んでお詫び申し上げるとともに、各方面に遺憾の意を表明する次第でございます。
　………が、しかし。

　あの快作「ロッキー」のテーマとともに、心の中のスタローンが雄たけびを上げるときがやって参りました。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　新刊準備、すべて完了。


　表紙もカバーも本文も全部整えて用意を済ませた！　後は印刷会社に発送するのみ！！
　今まさに脇のテーブルに鎮座している箱を眺めながら、感無量の思いとともに精進決済の終了をご報告する次第でございます。
　仕事に時間を取られた分、脱稿はいつもより遅くなりましたが、限界まで推敲して、これがベストです。
　それにしても長い戦いだった…。心の中のスタローンが今、ゴリラのようにリングを駆け回っている…。

　そして、何故いつもより時間がかかったのかと申さば、その理由はもうひとつ。
　全ページ数が過去最高の２９２頁で、その半分以上が書き下ろしだから。

　過去の本に換算すると、「デカローグ」と「R in B」を同時進行で完成した、というくらいの分量になりましょうか。ちなみに当初の予定では、「２４０ページあれば余っちゃって仕方ないくらいかな。てへ♪」だったのでして、我ながら阿呆としか言いようがありません。

　新刊の詳細はまた次回、カバーデザインとともにお届けするとして、まずはご報告を。
　そして（一部の芥瑚方がセルフ焦らし何とかに走って下さった）サブタイトルについても、今回は誰と誰の組み合わせなのか、合わせてお知らせしたいと思っています。


　そしてそして！　大仕事を終えた後には必ずご褒美が待っている！！
　という次第でして、心から愛するマドモアゼル方。
　麒麟は今週末、蓬莱の名画師・日さまと打ち上げ温泉にしけ込んで参ります。ああ、これを楽しみにしていた…そしてまさか脱稿が間に合うとは思っていなかった…！（涙）
　落ち着いた風情のお宿で海の幸を堪能し、のんびりお湯に浸かって互いの健闘を称えたいと思います。
　そして、かくも足しげく日さまに会いに通っているため、わたくしめ、そろそろ静岡県から名誉県民の称号を授与される日も近いのではないかと睨んでおります。押忍。

　桜の開花宣言も聞かれ、友人がママになったと知らせがあり、初めましてのマドモアゼルから「５月のイベントに初めて行ってみるつもりです」と青鳥を頂いた今日この頃。……ジーザス。
　これぞまさに、春・爛・漫……！！！


　東京では今週末がお花見日和だとか。全国津々浦々にお住まいの皆さま方が、穏やかで美しい春をお迎えになられるよう、心から願って止みません。
　愛するマドモアゼル方。今週末もどうぞ良い休日をお過ごし下さいますように。
　XXX。

　

　…突然ですが、マドモアゼル方。
　お祭りはお好きですか。


　暖かな春の気配とともに、年に一度の逢瀬の季節、すなわち５月のイベントもあと二ヶ月！　というところまで近づいて参りました。通販＆イベント頁に詳細をお届けした通り、今年も東京と大阪、５月３日のSCC＆１２日の大阪インデックスに喜び勇んではせ参じる所存でございます。
　そして３日のSCCではプチオンリー再び！　その名も「FUYUMIX！」というお祭りが開催されるのですね。

　プチオンリーと申しますのは、大規模なオールジャンル・イベントの中で、同じカテゴリーのサークル同士が集まって、文字通りちっちゃなお祭りをいたしましょう♪という、大変におめでたい企画。
　今回は十二国記のみならず、小野不由美作品全体、つまり「屍鬼」や「ゴーストハント」といった方面でご活躍のサークル方が広く集まって、ご来訪の皆さまともども、この良き日を祝おうではないか！というまばゆい一日なのでございます。
　もちろん、当サイト（サークルというべきか）も大喜びで参加させて頂く予定です。ひゃっほう♪
　
　時折、「イベントに行ったことがなくて…」「興味はあるんだけど、ちょっとためらわれて…」というひっそりした呟きを、青鳥越しにお聞きすることがございます。
　……お気持ちは痛いほど分かる。分かりますともマドモアゼル方！（←この世界に流されたばかりの頃、「イベント」と聞いてクラブのパーティか何かだとばかり思っていた人間）
　そんな奥ゆかしい芥瑚方に、わたくしめは心の底から申し上げたいのです。
　案ずるより産むが易し、カモーンジョイナス！！

　会場は広く、お越しの方々も多種多様。ことに今回のプチオンリーでは、小野作品を愛する方々にとって思いがけない出会いの喜びが待っているかも知れません。
　参加するサークルにとっても、いらして下さる方々と直接お会いして、お話したりお礼を申し上げたりできるのは、何より嬉しく幸せなことです。むしろそのために本を作ると言っても過言ではない。

　今年のSCCは、ゴールデンウィークの初日。本格的なホリデーに突入する前にお時間がおありの方、「だったら行ってみようかしら…」と思われた方。どうぞお気軽にお運び下さって、ご一緒にお祭りを楽しもうではございませんか。
　プチオンリーのスペースの端っこで、マウンテンゴリラがお待ち申し上げております。
　深々と伏礼。




　……と渾身のお誘いをかましたところで、うっかり忘れかけてた業務連絡をおひとつ。
　上記のイベント参加＆在庫準備のため、通販は３月３１日（日）で休止となります。
　再開は２つのイベントの後になる予定ですが、既刊２種の在庫については、「多分残っていると思うんだけど大丈夫かな…」といった感じです。（数字に弱くて申し訳ありません…）
　もし確実に、とご希望の方がいらっしゃいましたら、お気軽に青鳥をお送り下さいませ。
　可及的すみやかに詳細の返信をお送りいたします。