年末に友人たちと飲んだ際に新刊のページ数を問われ、「ふっ。１２０Ｐもあれば余裕だと思います」などと自信たっぷりに答えていた自分を振り返り、あんたの見通しは手に持ってたカクテルよりも甘い！！とハリセンをかましたくなる二ヵ月後の今、皆様におかれましてはご機嫌うるわしゅう（伏礼）。

　のっけからなんではございますが、書くのが楽しいです。めっちゃ楽しいです。
　転がり回るほど楽しいので、書き下ろしがもう一個増えました。
　平静を装ってここでまとめてみますと、収録するのは全部で５作。１つはウェブ掲載からの改訂、１つはウェブ未収録、残る３つが書き下ろしで、『舞姫』　『天が許し給うすべて』　そして我慢できずに書いてしまったのが『死者の書』。
　……うむ。
　タイトルを並べてかろうじて分かるのは、多分ギャグではない。ということくらいでしょうか。

　そしてカバーを含めた表紙・本文内の装飾なども、ほぼ出来上がりました。
　大体こんな感じになるかなーというカバーのデザインがこちら。

　こんな風に細長く、表裏を含めた一枚の画面で作成するのですね。日頃ヴィジュアル的な作業にまったくご縁のない生活を送っているので、こういうものを作っているといまだに、「あはは、本物っぽーい♪」とひとごとのように阿呆な感想が湧いてくるという（笑）。

　しかし、書くというのはなんだってこんなに楽しいのか。そろそろ全体のねじをぐっと締めるために最終改訂に入らねばという一方で、「もっと書きたい！なんか新しいの書きたい！」とわめく煩悩があり、さすがに今年の自分は頭がおかしいんじゃないか、大丈夫なのかと心配になって過去の雑記をさかのぼってみましたら……
　去年もまったくおんなじことしてたよノープロブレム、これが通常営業だ。
　という結論にぶち当たりました。

　煩悩とは、「膨張はするが成長はしない生き物」といえるのかも知れません。
　余談ながら、予定外の書き下ろしを追加するに当たり、もったいないから少しずつ書こう…じれじれ焦らしのセルフ・プレイでいこう…と誓っていたにもかかわらず、あっというまに書き上がってしまって当方憤懣やるかたなし！
　という思いをメールで日さまにぶつけたところ、「楽しくてたまらないところにセルフ焦らしプレイなんてするから、逆効果だったのではないの…？」というご指摘に、ウロコと一緒に目まで剥がれ落ちるかと思いました。

　そうだった！　プレイとは制御ではなく、欲望の加速装置！！
　快楽に溺れてプレイの本質を見失っていたとは、不覚もここに極まれり…！！　

　と正座で猛省しつつ、「次は何書こっかなー♪」とわくわくしている煩悩に、どうかご遠慮なく剣山ハリセンを振り下ろして頂けますよう、心からお願い申し上げる次第でございます。（もいちど伏礼）

　

　のーんびり湯船に使ってぼーっとしているというのに、何故か改訂作業中の原稿があざやかに脳内で立ち上がり、勝手に追加や削除を始めていくのに業を煮やして、びしょぬれのままリビングに走って紙とペンを引っつかみ、再び湯船に沈みながら文章を書き取っていくとき、ああ…いよいよ新刊製作も佳境に入ってきたのだな…と実感します。（昨夜の実話）
　でもって改訂箇所がＲ指定場面だったりいたしますと、神聖なるバスタイムに暴れ馬が突っ込んできたような理不尽さに、せめてＴＰＯをわきまえるべきではないかと義憤に駆られずにはいられません。（昨夜の実話）

　立春を迎えてなんだか嬉しくなっている煩悩シアター＠暴れ馬つきより、本日はペーパー・コレクションの追加をお届けいたします。
　これは昨年の５月、当サイトが１２周年を迎えた記念に、ＳＣＣの会場でお渡ししたものです。表紙の写真はサイト名にも引用している天山山脈の北麓。そして内容はいつもの阿呆が満載です。
　いつも通販をご利用の方々にはお届けできないのを心苦しく感じているので、この機会にささやかながらお楽しみ頂ければ幸いです。

　このペーパーの２Ｐ目にある項目、「禁足地としてのフロンティア」。
　これ、書けるものなら本当に書きたいと、心の隅で今でも思っていたりします。武人二人の殺伐とした、けれど暗い情念に満ちた関係を執拗かつ丹念に描けば、それはもうぞくぞくするほど愉しいことでしょうし、当然Ｒ指定にもなるでしょうし。
　というようなことをですね、イベント後の打ち上げの席で漏らしたところ、頼もしい助っ人芥瑚の皆々さま曰く：
　「いつでも遠慮なくおやんなさい。裏別館を立ち上げるなら管理は引き受けるから」

　わーお、貞操の危機だよどうしよう…！！

　と上記の一文を記して感じる、この微妙な違和感はなんだろう。
　１０秒ほど考えて気づきました。

　おお！　たった今、「貞操」って言葉を生まれて初めて使った！　脳内辞書に初めてインストールした！！

　言葉とはかくも神秘に満ち、またその出逢いは驚きに満ちている。
　厳粛なるこの事実を胸に深く刻み、次回は肝心の新刊の詳細などを携えて、再び御前に参上する所存でございます。（超伏礼）

　

＞杏さま
　「やられた！」というのは、この上なく嬉しいお褒めの言葉かも知れない…！（笑）
　本当に長いこのご縁も、１３周年を迎えました。なんだかすごいことですよね。おかげさまで九州という土地がすっかり心の中で親しいものとなり、ニュースや天気予報でもごく当たり前のように注意が行くようになりました。
　はい、今年の冬は寒暖の差が大きいです！　珍しくやられてしまった風邪もすっかり治った昨今、木を引き締めて新刊製作の追い込みにかかりたいと思います。
　杏さまもお身体にはお気をつけて、ご一緒にまた新しい春を迎えましょうねー♪

＞かのんさま
　無事にお手元に届いてよかった！　懐かしい絵がいろいろおありでしたでしょう。わたしも編集作業の間、本当に楽しくて、作業を進めなくてはならないのについ手を止めて見入ってしまったり、レイアウトをしたらさらに美しくなった原稿を掲げてくるくる回ったりしたものでございます（笑）。
　膝！（驚愕）　寒いときの打ち身って結構残りますから、身体を温めて、安静になさって下さいね。それこそ５月に晴れやかにお会いするためにも…！
　…ラーメン、打ち身にも効くだろうか。どうかな…いや、きっと効きます！　少なくともおいしいから元気になると思います！

＞ちょこさま
　わーい、お祝い青鳥ありがとうございまーす♪（とすかさずハグをかましつつ）
　魔の二歳、無敵の三歳を遠い昔に放り投げて、今年からいよいよティーンエイジャーとしてデビューでございます。（嘘は全然言ってないはずなのに、なんでこうも良心が痛むかな）
　「堪忍え」のアクセントに痺れつつ、こうしてここまでご一緒できたことに心から御礼を申し上げたい気持ちでいっぱいです。そしてこれからもご一緒であろうことをさほど疑っていない（笑）。
　リアルのハグは、またお会いできたときに改めて賜れますように！

＞Ｈ・Ｆさま
　あはは、やっぱり「１３」に反応を！（笑）　お祝い青鳥、本当に嬉しく拝見しました。お住まいの地域では、もう梅が咲いているのですね。冬が少しずつ春になっていくこの季節を、文字から実感した気がいたします。
　緑茶も風邪に効く？　ああ、お茶でうがいをするという話を聞いたことがあるかも！　では次回体調を崩しそうになったら、すかさず緑茶と気合い（笑）の秘伝で完治に持ち込もうと思います。
　春までもう少し、また花が咲いたら教えて下さいねー♪

＞由季子さま
　愛の国にならってのメッセージ、確かに頂戴いたしました。ああ、溢れ出るこのマイナスイオン…！
　目標も法則もなく、ただ書きたいんだから書くしかないという文章から、何らかのものを得て下さっている方々がいる…と自分で考えるのは本当におこがましくて気が引けるのですが（だってそんなたいそうなものじゃないんだもん…）、もし少しでも楽しんだり笑ったりして頂けるのなら、こんなに嬉しいことはないくらいです。本当にありがとう。
　同じくこの年が、由季子さまにとっても温かく素敵なものになりますように。またお会いできる日を本当に楽しみにしています。メルシ・ボクゥ♪