この週末は新幹線に飛び乗って、蓬莱の名画師・日さまのところに遊びに行って参りました。
　これは次なる新刊合宿のため…ではまだなく（笑）、先月お訪ねした折に、地元で開かれる南米音楽のコンサートにお誘い頂いていたのでございます。
　「これじゃまるっきり普通の友達みたいだよ…」と思わず呟いた麒麟に、「それのどこが悪い（怒）」と返された日さまは、しかしながら、決して逢瀬と煩悩を無駄になさるお方ではなかったのでございます、愛するマドモアゼル方。


　文字通り踊りながら南米音楽を堪能した後、「今日はその足で帰京する」という固い誓いをあっさり破り、最終の新幹線までめいっぱい、語らいのひとときを楽しんでいたときのことでした。

　　日：　「そういえばこの間サロンＢＢＳで、一度は『樹の組曲』の登場人物候補に上がりながら、結局登場
　　　　　せずに終わった人たちについて、ちらっと書いてたでしょう？」
　　暁：　「そういえばそんなことを書いたような気も…　ってよく覚えてるねー！（驚）」
　　日：　「あれ、書けばいいのに。っていうか書きましょう、ええそうしましょう」
　　暁：　「藪から棒に何を言うかと思えば！（慌）　そりゃ書かずに終わった人たちがいたのは確かだけど、
　　　　　あれ以上読んでも面白くないんでは、とだな…」
　　日：　「それは読んでから決めるよ。もしよかったら、絵だって描かせて頂きますとも」
　　暁：　「……なんですと？！」
　　日：　「実は構図も決まっていてだな。かくかくしかじか、ざっとこのように」
　　暁：　「見たい！　絵だけでいいから見たい！」
　　日：　「そんな都合のいい話はありません。書かざるもの見るべからず」
　　暁：　「……。『樹の組曲』のスピン・オフ？」
　　日：　「うん。スピン・オフな番外編」
　　暁：　「……。最低、何話あれば形になる？」
　　日：　「５話、かな」
　　暁：　「……。け、検討してみます……」


　という次第でして、愛するマドモアゼル方。体温よりも暑い真夏の夜、麒麟は悩ましくも葛藤の真っ最中だったりいたします。曰く、
　→　まだ見ぬ名画師の絵を、ぜひともこの世に召還したい。
　→　そして挿画というからには、当然本の形で収められねばならない。
　→　だとしたらサイト上の更新ではなく、最初から全編書き下ろしで一冊、ということになるのだろうか？
　→　でも何だかこっぱずかしい、ならば部数限定にすればいいのだろうか？　
　→　いや、そもそもそれは根本的な解決策になっているのか？

　と考えているうちに、何が何だか分からなくなってきてしまいました（涙）。
　愛するマドモアゼル方。もし何かご意見・ご要望がおありの際には、これも調教と思し召して、どうぞお気軽にお寄せ下さいませ。獣形でうなだれつつ、ハリセンをお待ちしております。

　…そして何故か今、麒麟の手元には、すでに５話分の骨組みを走り書きしたものがあるのでした…。




　追記：　青鳥を下さった芥瑚方。後ほどサロンへとお返事青鳥をお届けいたします。お時間のあるときに
　　　　　　ちらりと覗いて頂けると、大変嬉しゅうございますー♪

　

　三連休のプチ出奔を満喫して、知らないうちに梅雨明けしていた東京から週末のご挨拶でございます。
　ごきげん麗しゅう、愛するマドモアゼル方！

　初めての岩手であんなに楽しく過ごした後に、再びの地震のニュースを聞いて胸を痛めています。前回から間をおかず、しかも夜中のことに、地元の方々もどんなに驚かれたことでしょうか。一度で大好きになってしまった土地だけに、以来数日、ずっと心に懸かってなりません。
　当地にお住まいのマドモアゼル方と周囲の方々に、心からのお見舞いをお送り申し上げます。


　　　　　　　　　　　　　　　　　◇　　　　　　　　　　　　　　◇　　　　　　　　　　　　　　◇


　 国内旅行はほとんどしたことがない、と前回申し上げたのですが、よーく考えてみれば、は…初めてに近かったかも知れません（照）。（旅先で日本語を使うことが今までなかった気が）
　ですので、本当に何もかもが新鮮で、もう心から楽しかった…！
　いちばん驚いたのは、「空気がまったく違う」ということでした。新花巻駅で降りたときから、内陸部にいるときはずっと、なんとも言えない甘い香りがするのです。ココナツと蘭が混じったような南国の甘さではなく、緑と土と、それから適度な湿気に由来する、すがすがしい北国の空気の甘さ。
　旅行先ではもう、何よりこの空気に夢中になってしまい、暇さえあれば深呼吸に勤しむあまり、
　　「掃除機みたいに２４時間、この空気を吸い込み続けていられたらいいのに…！」
　と真剣に思ったほどです。

　同じ国の中でも、こんなにも気候や風土が異なり、それはきっとそこに住む人たちの気風や生活にも深く影響しているに違いないと思うと、小さな島国と言われるこの土地のあちこちには、まだ自分が知らないだけでどれほど多くのものが隠れているんだろう…！　と憧憬を込めて思わずにはいられません。
　これまでの旅行で訪れた土地がそうであるように、きっとこの先、「岩手」に由来するものを見聞きするたびに、ある種の親しみを覚えるだろうと思うのです。
　そして今回のプチ出奔が本当に楽しかったおかげで、そろそろ痺れを切らしてきたわが放浪魂も、９月の本格的長期出奔まで持ちこたえてくれるだろうと思うのです。
　…はい。９月の半ばには、例によって約２週間に及ぶ辺境出奔を計画中でございます（照）。

　サイトを開設し、さらには通販を初めてから気づいたことなのですが、全国津々浦々にお住まいのマドモアゼル方とご挨拶が叶うたびに、まだ行ったことのない都道府県であっても、その土地の名前が暖かい感情とともに記憶に残り、たとえばニュースで見聞きしたりするたびに、その土地にふっと親近感を覚えるようになりました。
　改まって申し上げるのは照れくさいのですが、この機会にやっぱりお礼を申し上げたいと思いました。
　ありがとうございます、マドモアゼル方（照）。


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　そして本日は、『胡蝶の夢』の第七章をお届けします。
　ふとNovel頁を見れば、めいっぱい時間をかけて推敲を楽しんできた長編も、もう残り三章となり、だというのにほっとするどころか、「…何だか寂しいんだよ蒼猿や…」とため息をつきたくなるこの煩悩。
　愛するマドモアゼル方。今週末もお楽しみ頂ければ、書き手にとって最大の喜びです。

　東京では怖ろしいほどの暑さが続いておりますが、マドモアゼル方、どうぞ身体をいたわられて、よい週末をお過ごし下さいますよう、投げキッスとともにご挨拶申し上げます。（←もちろん返品可で）

　

　おお、心から愛するマドモアゼル方。
　「蓬莱はいつから亜熱帯になったのか１００字以内で説明してみやがれちくしょうめ」であるこの猛暑を、おいたわしくもいかが耐え忍んでおいででしょうか。
　はい、月曜の雑記更新を暑さで断念せざるを得なかった麒麟も、絶賛夏バテ中でございます…。よよよ。


　　　　　　　　　　　　　　　　　◇　　　　　　　　　　　　　　◇　　　　　　　　　　　　　　◇


　先週末は、遠く以前にちらりと雑記にも登場した友人＠出版社勤務と、久々の逢瀬を楽しんで参りました。
　「いやー、最近物価の上昇がきついじゃない？」と友人は申します。「このあいだ印刷会社の人と話したら、インクも値上がり、紙の価格も高騰、本の印刷費用も上がる一方なんだよねー」

　　　　　　　　　　　　　　　　　……友よ。それは煩悩的にも一大事です。
　
　そうなると、いつも本作りでお世話になっている幾つかの印刷会社でも、きっと製本代の値上げを余儀なくされるんだろうなー、世界的な物価高騰は仕事も趣味も直撃するのかー、うぬう、侮れん……
　と腕組みする麒麟の前で、友人はにわかに憤怒の形相になりました。
　「でもさ、それより何より納得いかないのは、ハーゲンダッツが値上がりしたことなんだよ！」
　……はい？
　「毎晩お風呂上りに欠かさず１個、フレーバーをとっかえひっかえ食べるのが日課なのに！　期間限定商品だって一度も逃したことがないのに！　ああ、こうなったらオランダに移住するしかないのかも！　…ん？　ハーゲンダッツってベルギーだっけ？？」
　……知らんがな。

　友よ。そんな目先の嗜好品に気を取られることなく、もっと広い視野で大局を語るべきではないのかね！
　と説教モードに入りかけた瞬間、今秋にも煙草の値上げが検討されているというゆゆしき事実を思い出しました。うひょー！
　マルボロは煩悩シアターに絶対不可欠なのに！　あれがなくっちゃ一文字も書けなくなるのに！！

　……友よ、あなたは正しい。
　嗜好品は人生の重要事項です。むっちゃしみじみ。

　
　　　　　　　　　　　　　　　　　◇　　　　　　　　　　　　　　◇　　　　　　　　　　　　　　◇


　かくてこの世界的物価高騰と猛暑に立ち向かうべく、麒麟は今週末、ちっちゃな放浪に出かけて参りたく存じます。よって愛するマドモアゼル方。
　「どうしてこう図ったように隔週になるんだろう！」的な焦らし…じゃなかった長編連載は、この三連休、一回お休みを頂きますね。
　国内旅行は片手であまるほどの場所しか行ったことがないので、とっても楽しみだったりいたします。
　岩手にお住まいのマドモアゼル方。今週末は、麒麟によく似たマウンテン・ゴリラがお近くを通るやも知れず、あらかじめご挨拶申し上げる次第でございます。深々と伏礼。

　そして津々浦々にお住まいの芥瑚方。どうぞよい三連休をお過ごし下さいますよう、少し早めの週末のご挨拶を申し上げますねー♪





　そして青鳥を下さったマドモアゼル方へ、今日はこちらから。

　＞香帆子さま：
　　　到着速報、わたしの方こそ本当に嬉しく拝見いたしました。ありがとうございます♪　楽しみに待って
　　　いて下さったというお手元に、里子が無事に届いて本当によかった！　「大好き」という言葉は、どう
　　　してこんなに威力があるんだろう…と真っ赤になりつつ、これからも楽しみにして下さるという青鳥に
　　　心からお礼を申し上げます。（深々）

　＞N・Mさま：
　　　海を越えての到着速報、ありがとうございますー♪　ニアミスだったのはとても残念に思いましたが、
　　　なんと来週にはまたの機会が！　これを天の配剤といわずして何と言おう…としみじみ嬉しい夏の
　　　夜。はい、こちらは早くも猛暑でございます。お戻りの際は、どうぞ体調を崩されませんように…。

　

　「ささ、小説更新の準備をしなくっちゃー♪」と、つい先ほど正面玄関を開いたところ、不気味な鳥居が予告もなく目に飛び込んできたので、泡を食って逃げ出しそうになりました。

　　　　　　　　　　　　　　　　……誰だ、こんな風景をトップに持ってきたのは……。

　
　ごきげん麗しゅう、愛するマドモアゼル方。７月に入って以来の蒸し暑い毎日ですが、今宵もすこやかに虚海をお渡りでいらっしゃいましょうか。
　本日は、『胡蝶の夢』の第六章をお届けいたします。これで連載も折り返し地点…だというのに、この話はいったいどこに行くんだろう？　と準備をしながら首を傾げたことは爽やかに無視するといたしまして、愛するマドモアゼル方。今回もお楽しみ頂ければ、すごく嬉しいです。
　そして先日少しお話した両親宅の猫・せんべいは、今のところは小康状態を保っている様子です。お気遣い下さった方々、本当にありがとうございました。言葉にならないくらい、心から嬉しかったです。

　それでは、津々浦々にお住まいのすべてのマドモアゼル方。どうぞ今週末もよい休日をお過ごし下さいますよう、金曜夜のご挨拶を申し上げます。XXX。





　追記：　青鳥を下さった方々へ、まずはこちらから。

　　＞M・Oさま：　
　　　はい、ご感想しかと頂戴いたしました。ありがとうございます♪　「落とすべきところへ…」　…うふ。
　　　この連載に限らず、煩悩シアターから出てくるすべてを俯瞰したとき、それがハッピーであるかという
　　　ことは、書き手にとって全然重要ではなく、流れにまかせて最後まで見届けることがいちばんの喜び
　　　なのだとしみじみ思うのでございます。どうぞ今週末もお楽しみ頂けますように…。

　　＞M・Aさま：
　　　お届けした本が、そんなに貴重なタイミングでお手元に届いていたと伺って、わたしまで本当に幸せ
　　　な気持ちになりました。大切にして下さるというお言葉が、すごく嬉しかったです。無事に届いて、
　　　本当によかった！　里子が長くお手元で、ささやかな休息のお供となりますように…。

　

　７月に入った先週末、いきなり襲ってきたものすごい暑さに、あやうく寝込みそうになりました。
　そんなとき、南半球在住の友人から、「今朝雪が降ったよ、うきゃ♪」などというちょこざいな便りが来ると、正義は滅びたという憤怒を覚えずにはいられません。

　翻って考えますに、心から愛するマドモアゼル方。
　蓬莱における７月は、１２ヶ月の中で最も異界度が高い月ではあるまいか、と麒麟は思うのでございます。
　まず「七」という奇数がはらむ、吉と不吉の入り混じった印象。そして天候を見ても、夕立が訪れる直前の空が帯びる、あの得体の知れない色合いの恐ろしさ。まだ未明といっていい夜明け、青とも灰色ともつかない水のような空気に潜む不思議な静謐。そして何より、人肌めいて纏わりつく湿気。
　「異」に関わるものがしばしば官能を帯びた存在として描かれること、そして蓬莱における「エロス」が必然的に「湿度」と結びついていることを考えると、夏という季節の持つ仄暗い魅力の前に、今夏の猛暑の予報など虚海の藻屑に等しいのでございます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　……ごめん重朔、やっぱりクーラー入れて……。


　　　　　　　　　　　　　　　　　◇　　　　　　　　　　　　　　◇　　　　　　　　　　　　　　◇


　とこのように、７月は異界の月であってみれば、天山の正面玄関も当然の如く異界であらねばなりません。
　本日お届けするのは、京都・伏見稲荷大社。全国の稲荷信仰の頂点に君臨し、その異界度の高さも全国屈指と思われる、古都の霊山でございます。

　蓬莱の風景をお届けするのは、これが初めてとなりましょうか。実際に訪れたことのあるマドモアゼル方も多くいらっしゃるかと思うのですが、この伏見大社を「異」の存在と成しているのは、何といっても「鳥居」。
　あざやかな朱色、褪せた朱色、文字通り無数の鳥居が延々とつらなって緑深い山を覆う光景には、思わず目眩のするような「異」の気配が漂っています。
　そして随所に鎮座するお狐さまの石像が、これまた異様にシュール。はっきり言ってむっちゃ怖い。

　大社という名にふさわしく、この広大な神社は、伏見山全体を覆うように広がっています。麓の本殿をくぐり、徒歩２時間ほどかけて山を一周参拝することを、「お山する」と呼び慣わすそうなのですが、不思議なことにわたくしめ、これまで何度トライしても、「お山できた」ためしがないのです。
　踏破の意欲満々で本殿を後にしたのに、途中で連れの具合が悪くなってしまったり、靴がだめになってしまったり、ものすごい驟雨にみまわれたり。
　これは「まだまだ信心が足りないぞよ」というお狐さまの託宣なのか、はたまた「おまえはこの先に行ってはいけない」という何者かの警告なのか。
　思い出すと少しばかり背中の冷える心地がする、雨上がりの夜なのでした。

　そして愛するマドモアゼル方。トップ写真をクリックなさいますと、さらに大きな異界への扉が開いております。例によって例の如く、お気に召しましたら「右クリック→保存」でご自由なお持ち帰りをどうぞ！　
　なのでございます。ギネス片手に深々と伏礼。

　

　今週は急用ができたため、小説の更新にお休みを頂きました。
　両親宅で１０数年暮らしていた猫のせんべいが、もうそろそろ…という状態になってしまったという報せを受けて、ちょうど蓬莱オフィスの祝日に合わせて帰省していました。これが最期になるかも知れない挨拶のために、また明日の早朝に顔を見に行く予定です。
　本当に、こればかりは自然の摂理とはいえ、どうしてこんなに辛いかなあ…と泣かずにはいられないのですが、ごく静かに落ち着いた様子を見ていると、決して悲しみだけではないさまざまなものが込み上げてきて、言葉にできないような、とても不思議な気持ちを覚えます。

　７月に入ったせいか、今日は特に暑さを感じた一日でした。そして湿度もぐっと上がったような。
　心から愛するマドモアゼル方。今週末も、どうぞよい週末をお過ごし下さいますように…。