今日は嬉しいご報告を２つ、お話しさせて下さい。


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　まずは日本＆同僚たちの国が、揃ってＷＣの決勝トーナメント進出が決まったため、こんな慶事はめったにない！飲まずにどうする！　とこれまためったにないことながら、本日は早々と午後の仕事を切り上げて、みんなで乾杯して参りました。
　　「いやー、胸のすくようなフリー・キックだったねえ！」
　　「そちらのチームもどんどん勢いに乗ってきて、先が楽しみだねえ！」
　　「めでたい！」　「いやめでたい！」　「かんぱーい！！」

　……と、最後にはまとめて単なる酔っ払い集団と化した金曜の午後だったのですが（笑）、思い返してしみじみしたのは、前回のＷＣの頃のことです。
　あの頃は確か、ボスの後釜を頂くの蹴飛ばすのという話が振って沸いた前後で、その後もオフィスでいちばん年下で経験が浅いこともあって、なかなか辛い時期もあり、「このプロジェクトが終わったら綺麗さっぱり辞めてやるともちくしょうめ！」と心に誓ったことも、実は何度かありました。
　けれど今では曲がりなりにも軌道に乗って、こんな風に楽しめるようになったんだなあ…と思ったら、何だかじんわりと込み上げるものがあって、そして、何だかいろんなものに感謝したくなったのでした。

　冷たいビールがほんとにおいしかった！　ギネスじゃなかったけれども！（笑）


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　それから、もうひとつの喜びは、少し前にご落札頂いた１００万打キリ番オークションのご報告です。
　ＧＷのご落札だったものの、イベント＆通販がひと段落着くまでお待ち下さっていたご注文主から、正式な青鳥を頂いたのが６月の初め。→ジダンの頭突き並みに瞬間沸騰した煩悩シアター、数時間のうちにがっつり骨組みを完成。→キーボードを打つ手が間に合わないのに焦りつつ、麒麟、必死にボール＠煩悩映像を追いかけて応戦中。
　という大変おなじみのプロセスを経て（笑）、愛するマドモアゼル方、通算２５回目（！）となるキリ番ご落札の報告を、以下のようにさし上げる次第でございます。

　　１００万打ご落札主となって下さったのは、歌楓さま。
　　頂いたご注文は、「楽器＋紀行＋百」。
　　お任せ頂いたタイトルは、オリジナルで、『百年譜』。

　このご注文は、歌楓さまが丁寧に綴って下さった青鳥の中から、煩悩シアターがひときわ激しく反応した箇所を合わせてひとつにしたものです。最後の「百」というキーワードは、ええと……その、１００万打だから、です（照）。
　実はこの数値を設定する際に、ほんの０．０１秒だけ、「とてもきりのいい数字だし、何かそこに絡められるものがあれば…」とも考えたのですが、「書き手が助平心を出した途端、勢いよくストライキに突入する煩悩シアター」というビターな経験がよみがえり、大慌てで頭の中から追い出したという経緯がありました。
　ですので、リクエストを頂いて大急ぎで骨組みを書き留めている際に、思いがけない形でこの数字がキーワードになると分かったときには、しみじみと嬉しかった…。
　　
　時間的・空間的に幅のある骨組みとなったため、当然のことながら長い。そして章辺りの字数もむっちゃ多い（涙）。…もはや輝かしい「字数ケチ」の称号も、涙を呑んで返上すべきかも知れません。
　ただ今書き進めているこれを一言で申しますならば、「常世版・世界の車窓から」。そして現在、煩悩シアターは初めての土地＠範国の王都に滞在中、まもなく次の地に向かって出発する予定でございます。
　……深々と伏礼。


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　以前企画の隅っこにも書いた記憶があるのですが、「ついにすべてのネタが尽きて、書くことが何もなくなったらどうするか」。
　これについては、質量保存の法則といういかんともしがたいブツがある以上、「そりゃそういうときも来るだろう、いつかは当然」と思わざるを得ず、でも、それを考えると一人でしょんぼりしてしまうのです。
　もともとが小説はおろか、文章を書こうとすら考えたこともなかった身であるからして、十二国記・景陽御中を離れたら、もう二度と、一生何も書かなくなるのは明らかです。
　でも、言葉を綴って何かを書くことがこんなに楽しいと知ってしまった後では、辞めてしまったら、ほんとに寂しくなっちゃうんだろうなあ……と。

　でも、先月のイベントのように忘れられないほど嬉しい時間があり、多くの方々にお逢いしてエネルギーを頂き、そしてまたリクエストを頂いてさらに新しいものを書きたいと思い、それを心から楽しむことができる。今もなお、サイト開設当時と変わらない新鮮さと喜びで。
　それを考えると、上手な言葉が見つからないのですが、こうしてモニター越しにご縁を結んで下さっている方々、もしかしたら書くということの想像以上に大きな原動力になって下さっているかも知れないおひとりおひとりに、改めて心からお礼を申し上げたいと思うのです。
　本当にありがとう。次にお届けする予定のこの作品にも、書く喜びとベストを尽くして参りますね。


　急激に蒸し暑くなってきた６月の終わり。愛するマドモアゼル方、今週末もどうぞ良い休日をお過ごし下さいますように。（そして九州にお住まいの方々、雨がこれ以上ひどくなりませんように）


　ＰＳ-１：　青鳥を下さった芥瑚方。お返事青鳥を、後ほどサロンにお届けする予定です。ご自分宛の一羽、
　　　　　さくっと捕獲をお願い申し上げまするー！

　ＰＳ-２：　正面扉に、近日開始予定の小さな企画＠夏のお祭りのささやかな予告をお届けいたしました。
　　　　　愛するマドモアゼル方、よろしければご参戦に向けた準備体操をお願い申し上げまする。
　　　　　……深々と伏礼。

　

◇通販に関するちっちゃなお知らせ◇

　現在通販中の『樹の組曲・番外編』、再販分が残り１桁となりましたので、通販ページに「残部僅少」と記して参りました。
　また、秋以降は例によって、次回の新刊製作＠精進潔斎に入る予定でもあり、９月中旬で通販を休止する可能性があります。（再開は、次回新刊と合わせて来年のイベント後に）
　どうぞ参考になさって下さいますように…。

　

　うひょー！
　この週末は大変です。連夜のワールドカップ激戦＠一次リーグ突破の未来を見守りつつ、二夜連続・『鬼平犯科帳スペシャル・高萩の捨五郎』にかぶりつき、帰ってきたお頭こと長谷川平蔵の雄姿を仰ぎ称えねばなりません。
　…そして何より、お待たせしていたリクエスト作品、その最終章をお届けしなくては！


　ごきげん麗しゅう、愛するマドモアゼル方。
　本日は９０万打リクエスト作品・『青鷺火』の最終章をお届けいたします。
　「焦らし何とかも好物よ♪」と温かくゆったりお待ち下さっていた方々、「連載はまとめ読み派だから我慢していてよ」と自らを高く持しておられた（！）方々。
　そして、煩悩シアターに美しい映像の種を与えて下さったリクエスト主に、心からお礼を申し上げたいと思います。
　すでに次回のご注文も承り、煩悩シアターも再び水面下で活動中なのですが、キリ番リクエスト作品を書くというのは、何度重ねても二つと同じものがない、本当に特別な喜びであり楽しみです。
　書き手一人では絶対に見ることができなかった映像、思いもしなかったはずの流れが、青鳥越しに頂くご注文に呼び起こされて生まれ出る瞬間は、通算で２５回くり返した今でも（！）不思議で、そして常に新鮮な幸福でいっぱいです。
　どうしてこんなにも楽しくて、こんなにも飽きないんだろう。たった今も、モニターの前でしみじみ首をかしげています。
　……てへ（照）。

　愛するマドモアゼル方。お待たせした分、どうか今回もお楽しみ頂けますように。そしてどうぞ、良い週末をお過ごし下さいね。



　ＰＳ：　青鳥を下さった方々。今週末も、お返事青鳥をサロンＢＢＳにお届けいたします。ご自分宛の一羽
　　　　　を、どうぞモニター越しにお受け取り下さいねー♪

　ＰＳ／２：　以前の雑記で『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』を読みました、とお話しした際に、「では同じ
　　　　　作者の『鹿男あをによし』も読んでみてね、きっとびっくりすることがあるから」と教えて下さった
　　　　　方々。先日の出張の合間に読んでみたところ……　おお！
　　　　　お父さん？　…お父さんだったんだ！　だから「かのこ」ちゃんだったのですね？　わあ！（喜）

　

　 蓬莱オフィスの年度末は６月。なのでこの時期になると、一気にレポートやデータの提出を求められることになり、一日の終わりには、疲れで軽く頭が痺れたようになる日々が続いております。
　そして、こういうときに頂くお便りや通販のお申し込みには、ひときわ嬉しいものがあり、どれもひとつひとつ、両手で包み込むように大切に読ませて頂いています。
　ありがとうございます、マドモアゼル方ー！
　という次第でして、愛する芥瑚方。サロンＢＢＳに引き続き、青鳥のお返事をさし上げております。お心当たりの方々、どうぞご自分宛の一羽をひらりと捕獲なさって下さいますように…。

　しかしながら、このせわしなさも前半戦を終了した感があり、思わぬ伏兵さえなければ、来週末には現在連載中の『青鷺火』の最終章をお届けできるのではないか…という状況でございます。
　通販時の青鳥でいくつか、「時々載るレシピも楽しみです♪」と仰って下さった方々の言葉がとても嬉しかったので、こちらも久しぶりにいくつかお届けしたい。
　そして、先月の終わりに、晴れて正式にご注文を賜った１００万打リクエストのご報告もしたい。（ご落札の後、イベント＆通販が落ち着くまで、注文をお待ち下さっていたのでした…）
　さらに、来月からスタート予定の企画＠小さな夏祭りへの、ご案内＆お誘いもさし上げたい。（前回から５年近く経っているので、気持ちも新たに再び！と）

　……煩悩の真砂、尽きることなし。
　と２本目のギネス缶をしみじみ開ける、梅雨間近の金曜夜でございます。


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　さて、愛するマドモアゼル方。
　今日は何の日と問わるるに、答えて曰く：　FIFAワールドカップ＠サッカーの開会日であると。

　これまでほとんどお話したことがなかったかと思うのですが、「スポーツは鑑賞より自力でエンジョイ」を信条とする麒麟が唯一つ、心から観戦を楽しんでいるのが、このサッカーなのでございます。
　サッカーが国技に等しいところで学生時代を過ごした、というのも大きな理由なのですが、最初のきっかけは、学生になりたての頃に超貧乏旅行で訪れたイタリアでのこと。
　小さな街の小さなカフェ、夕暮れの通りに椅子を並べただけの場所で、冷たいレモン・ジュースを飲んでいたとき、それまで静かだった街並みが、いきなり大きくどよめいたのです。
　街のあらゆる窓からどっと何かが湧き出して、石畳や建物が共鳴するような震動。続く歓声で、それが無数の人の声だったのだと分かりました。
　びっくりしてお店のおじさんに尋ねると、「今！たった今、ＸＸがゴールを決めたんだよ！」と興奮した答え。
　ああ…　なるほど！　街中の人たちが同じサッカーの試合に釘付けだったんだ！

　今にして思えば、小さな地方リーグのゲームに過ぎなかったのかも知れません。けれど、そのときの印象があまりに鮮烈だったこと、人々をこれほどひとつに結びつける競技ってどんなものなんだろう…と思ったことが、サッカーに興味を持ったそもそもの始まりだったのでした。

　以来、ヨーロッパ・リーグを中心に観戦を楽しんでいるため、ご贔屓の選手も自然そちら寄りになります。
　個人的に印象に残る選手・ベスト３を挙げるならば、まずは元ドイツ代表、ゴールの守護神にしてサッカー界のシュワルツェネッガー、オリバー・カーン（ＧＫ）。
　向かってくるボールの目を読む正確さ、どんなシュートも跳ね返す完璧なパンチング技術。そして何より、ゴールの前に立ちはだかっている巨躯を見るだけで、戦意が根こそぎ喪失するようなあの強面。心底惚れ惚れいたします。
　次に、元フランス代表、リリアン・テュラム（ＤＦ）。さしの勝負では絶対に負けない鉄壁のディフェンダー、「哲人」と称される明晰で知的なプレー・スタイル。いったんは代表を退いたものの、ＷＣ直前の２００５年、国中の熱烈な要請に応えて代表復帰したときには、その背後に後光が射して見えたものです。
　そして最後に、同じく元フランス代表、おそらくサッカー史上最高峰の選手の一人にして「将軍」の異名を持つ、ジネディーヌ・ジダン（ＭＦ）。
　「マルセイユ・ルーレット」と呼ばれる超人的なドリブル、数々の輝かしい伝説的ゴールなど、その偉業をたたえるエピソードには枚挙にいとまがないのですが、なんといっても彼の姿がグラウンドにあるだけで、無条件に安心し、信頼でき、かつ闘志が湧いてくるという、まさに「将軍」、文字通り稀有なプレイヤーです。
　…その反面、抑制不能な瞬間湯沸かし器的一面もあり、前回ＷＣの対イタリア戦で、敵方マテラッツィの挑発に頭突きをかまして退場させられたという驚天動地の一件を、ご記憶の方も多いかと存じます。

　かくて並べて思考するに、我が心に叶う選手のタイプというものが、そこはかとなく見えて参ります。
　華麗なテクニックで魅了するファンタジスタ的タイプではなく、独特の存在感と底力を備え、重厚で渋い魅力を醸し出す、燻し銀のようなプレイヤー。我が心の師アルセーヌ・ルパンのような、名作・鬼平犯科帳が誇る長谷川平蔵のような、そう、一言で表すなら……智将にして獰猛。
　ずばりこのタイプなのです。
　しかも、「きゃー素敵ー♪」という恋心ではなく、「痺れるっす兄貴！ついて行くっす兄貴！」という任侠映画のような熱い心持ちです。……そして、それを思うときに避けがたく心中に生じる疑問がひとつ。

　幼少時からこういうタイプにいたく痺れ、今に至るまでそのベクトルは一貫しているはずなのに、現在こうして煩悩の虚海にあって、６年以上の長きに渡り唯一のピンポイント・ターゲットになっている、その一対の片割れが、何ゆえに、ああ何ゆえに……

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あの景台輔なのか。


　考えれば考えるほど分からなくなり、というよりむしろ、景台輔を含む景陽そのものが、我が身にとってはサッカーボール的存在なのではないか。この汲めども尽きぬ煩悩の泉であるサッカーボールを、書き手として「智将にして獰猛」な心意気でドリブルし、フェイントし、パスしてまたドリブルし、びしーっ！とシュートを決めたいのではないだろうか。
　……ではそのゴールとは何処に？　そもそもこの場合の「智将で獰猛」って何なのだ？？


　とますます深い迷路に嵌まり込みつつある金曜の夜。
　愛するマドモアゼル方、今週末もどうか良い週末をお過ごし下さいますように。一回休んだのでものすごく長くなってしまった雑記に、いつも頂いている温かいコミュニケーションへの感謝を込めて、モニター越しに週末のご挨拶を申し上げます。
　ＸＸＸ。アーンド、○。