まったくもって意に反することながら、ご無沙汰をしてしまいました…！
　風も空もいよいよ爽やかになってきた９月の終わり、皆さまもお元気でいらっしゃいますか？

　ちょっと長引いていた体調不良につき、とうとう保翠院通いを余儀なくされる羽目になってしまったのですが、恒例の放浪に関してはドクター・ストップがかからない限り（笑）絶賛敢行予定ですので、トータル的に問題なし！でございます。えっへん。

　きちんとした雑記は改めて週末にお届けするとしまして、来月半ばからの出奔につき、通販を休止させて頂きますね。
　現在受付中の通販は、今週末、１０月５日（日）までとなります。
　もしそれまでに「分かったわよ！読むものをよこしなさいよ！」とお思いの方がいらっしゃいましたら、上記を目安に青鳥をお送り下さいませ。間に合う限り、出奔までに送り出したいと存じます。
　深々と伏礼。

　それでは、愛するマドモアゼル方。また週末にお目にかかるまで、どうぞ良い一週間をお過ごし下さいますように。わたくしめも出奔前の仕事を片付けるべく、ちょっくらがんばって参ります！

　

　 テニスの全米選手権決勝に錦織選手が進出！というニュースを聞くも、このスポーツに疎い麒麟にはさっぱり見当がつかず、学生時代からテニスをしている友人に、それはどれくらいすごいことなのかと尋ねてみましたところ、
　「すごいも何も！　ものすごい快挙だよ！！　え？　グランドスラムとは何かって？　おおう、このミジンコめ…！　そもそも四大大会というものがあってだな…（長すぎて以下省略）　いやしかし、この大ニュースに隠れてしまっているけども、クルム伊達選手の活躍にもっとフォーカスすべきだよ！　彼女はすごいよレジェンドだよ！　何でかって？　おおう、このミドリムシめ…！（長すぎて以下省略）」　
　とパッションほとばしる解説を拝聴する羽目になりました。
　「テニスファン＝ほぼ松岡修造」という個人的方程式が出来上がりつつある今日この頃、マドモアゼル方に置かれましては三連休を楽しくお過ごしでいらっしゃいましょうか。


　さて、本当に久しぶりにゆっくりできた最終日の本日は、これまた久しぶりに正面玄関から新しい風景をお届けしたく存じます。
　昨年訪れたカタルーニャ地方から、レスタニー修道院回廊の柱頭彫刻です。

　バルセロナからバスで二時間ほど、ピレネー山脈に向けて北上していくと山深いオソナ地方に入ります。山々の合間に村とも呼べないような小さな小さな集落が点在していて、そのひとつがレスタニー。ここには１０世紀末に建立されたサンタ・マリア修道院があり、あまり知られていないのですが、素晴らしい柱頭彫刻を備えた回廊が残っています。

　ロマネスク教会の柱頭彫刻というのは、どこも大体同じようなテーマを扱っています。なので、「受胎告知」だとか「最後の晩餐」だとか、聖書の幾つかの主要場面を覚えておけば、ああ、あれか…と見当がつくようになるのですね。その上で、地方や時代、教会ごとに異なる表現の違いを楽しんだりできるのですが、ここレスタニーの回廊には、少し珍しいモチーフの彫刻がありました。
　それが、今回お届けした「髪を梳く女と恋人たち」です。

　正面玄関の写真をクリックなさって、全体像をご覧下さいませ。
　柱頭のスペースを二つに分けて、左側には「髪を梳く女」の姿があります。頭を少し傾けて、豊かな髪をくしけずりながら、まもなく来る恋人を待っているようにも見える彼女の右側には、近々と寄り添う一組の男女の姿が刻まれています。
　こういうモチーフをこういう場所で目にするのは珍しい。というのも、修道院はあくまで（建前は）清らかな祈りと瞑想の空間ですから、こうした世俗的な場面、しかも最も遠ざけるべきものであるはずの恋愛を連想させる場面など、普通は持ってこないだろうと思われるのです。
　他にも、「リュートを奏でる楽師」や「カスタネットを鳴らして踊る女」といった珍しい彫刻があり、修道士たちはどんな気持ちでこういう場面を見上げていたんだろう、好きだった人を思い出したり、「くー！酒飲んでどんちゃん騒ぎしてえ…！」と思ったりしたんじゃないだろうか。そもそもこういうのを飾ることを許しちゃう辺り、院長も結構大らかで俗っぽい人だったんじゃないか。
　などと罰当たりなことを考えつつ、静かな回廊を何度となく巡って楽しんだ昼下がりだったのでした。

　これほど見事な回廊にもかかわらず、ガイドブックには記載すらなく、現地の人にも「…それ、どこにあるの？」と訊かれたくらいで、わたしがいたときも他に訪れる人の姿はありませんでした。
　……そもそもそういうところばっかり選んで行くからじゃないのか。
　というハリセンは甘んじて頂戴するとしまして、愛するマドモアゼル方。もしカタルーニャ地方を旅する機会があって、ロマネスク彫刻がお好きでしたら、このレスタニー修道院をお勧めいたします。
　バスは一日数本しかなく、他には何もない辺鄙な場所ですが、美しい彫刻を眺めながら、静かな山の空気の中でゆっくりと過ごすことのできる、本当に素敵なところです。


　「なーんだ、いろいろ写真があるならばんばん出せばいいのに」
　と思われたマドモアゼル方。……ごもっともでございます。お見せしたい風景ならば、山のようにある。しかし！
　うかつに写真などお出しして旅の記憶を語ろうものなら、３６５日のうち４００日くらいは抑えつけている放浪魂が手綱をぶっちぎって暴走するのが恐ろしく、息をひそめて静かに静かに日々を過ごしていたのですが、何故今日はそれができたのかと問われれば理由は一つ。
　昨日航空券をゲットして、次なる放浪の目安がついたからなのですね♪　うきゃ♪

　とはいえ、それはまだ来月のことですので（笑）、通販の休止時期なども含め、追々のお知らせとなりますから、まだまだご一緒に蓬莱の秋を楽しめようというものでございます。
　それでは愛するマドモアゼル方。残る三連休の時間を惜しみつつ、よい一週間の始まりをお迎え下さいますように。ＸＸＸ。


　

　ぷはー、ようやく浮上できた…！！！
　と虚海の香りを胸いっぱいに吸い込んで気がつけば、もう９月ではありませんか。（唖然）
　もう時間というものがよく分からなくなってきた…と頭を抱える日曜日、皆さまがたにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか。とりあえず伏礼。

　先週末から順次送り出している新刊の通販につき、舞い戻ってくる到着速報を、とてもとても嬉しく拝見しています。これこそ通販の醍醐味だなあ…本当にありがとうございます♪
　今回も無駄なパッションを発揮してくれた通販作業部隊はもとより、名画師・日さまへのご感想も漏れなくご本人にお伝えしております。ご安心下さいませ。


　日さまと申さば、東京のイベントに続いて大阪にも同行して下さったのですが、今回はホテルで落ち合うというスケジュール。先にチェックインを済ませて部屋のドアを開いた麒麟は、その場で思わず凍りつきました。

　　　　　　　　　　　　　　鎮座まします、まさかのダブルベッド。


　予約したのがあらゆる方面でぼけーっとしていた時期だったとはいえ、ないない、これはない！
　今どき誰がこんな古典的な手を使うんだって話だよ！　ごめん、ほんとごめん！！

　と土下座の勢いで日さまにメールしたところ、「寝られればよしとする」と至極あっさりしたお返事が。
　到着してベッドを前にげらげら笑うも、「あ、わたしも毛布がいいから掛け布団も半分こしよう」と平然と話を進め、「んじゃおやすみー」と機嫌よく安眠して下さった日さまには、もはや永久に頭が上がらなくなった気がしてなりません。
　翌日の会場では、ブースの設営に見事な手腕を発揮して下さった日さま。「水分補給にはミネラル入りの麦茶だ。冷却シートで涼を取れ。おなか空いたらこのビスコを食え」と万事取り揃えて体調を気遣って下さった日さま。……あなたにもう一つ、謝らなくてはならないことがあります。

　後日、ホテルの予約メールをよくよく確認してみたところ……


　　　　あの部屋、ダブルですらなく、実はセミダブルだった模様です。