更新を直後に控え、この後記をしたためている今、最後のチェックを終えてしみじみと感じるのは、
「……幸せだ……」という、このシンプルな一言に尽きます。
　本当はもう、これだけで結びに代えてもいいほどなのですが、そうするとどこかの不器用台輔と同じになってしまいますので（笑）、以下にもう少しだけ、述べさせて下さいますように……。

　「喜びという感情は、本質的に他者と分かち合うように生まれついているものだ」という言葉を、どこかで目にした記憶がございます。
　かつてもうちょっとはねっ返りだった頃は、「…またまたそういう性善説なことを…」と眉をしかめてさっさとスルーしたものですが、今なら心底素直に肯定できる言葉です。
　振り返って、何かを書くことは、おそらく基本的にはそれ自体完結した行為なのですが、どんなに適した言葉を探し当てた喜びも、そうして書いたものを通して得られる相互コミュニケーションがもたらす喜びに比べれば、小さなものに過ぎません。
　「幸福だ」と感じられるのは、本来完結しているはずの行為が広がって、外界から思わぬ喜びが返ってくる、そのことに他ならないのだと、たった今も感じています。

　……と、ここまで記してから長い間、ふさわしい言葉を探してマルボロも数本消費したのですが、どうしても上手な表現が見つかりませんでした。
　つまり、申し上げたいのは、日々のコミュニケーションを通じて、本当に多くの方々から抱え切れないほどのものを頂いているということ、そして、それに対する感謝を完全に表現する言葉は多分見つからない、というシンプルな事実です。
　たった今、モニターを通してこれをご覧になっておいでのすべての方々へ、たくさんの感謝をお送りして、多くの意味で忘れられないものになった今回の投票の結びに代えさせて頂きたく存じます。
　これからもさまざまな形でご縁が続いていくことを、心から祈りつつ……
　

愛を込めて

天山慶路・暁子 拝

2006年6月3日