大好きな友人に、観劇関連に非常に詳しい人がおります。
　ミュージカルからバレエまで、守備範囲の大変広い彼女ですが、中でもむっちゃ詳しいのが歌舞伎。
　歌舞伎座のなんとか会？クラブ？にもばっちり入っておりまして、最古の記憶が、
　　「小さな頃に両親に連れられていった歌舞伎座の一階席で、幕間に迷子になってしまったこと」
　という、まことに見上げた劇迷です。

　この彼女、何を間違ってか、その方面にはとんと不調法な麒麟に、「面白そうな舞台があるから」とよく声をかけてくれます。こちらも彼女のチョイスなら間違いないと知っておりますので、ほいほい付いていっては、そのたびに新鮮な驚きや喜びに出逢うことになるのですね。
　日本の伝統文化に無知だった麒麟を、生まれて初めての歌舞伎座に連れて行ってくれたのも彼女です。
　写真でしか知らなかった華やかな門構え、ほのかに檜の匂いが漂うロビー、歌舞伎揚げせんべいと同じ色使い（！）の幕にいちいち目を瞠って感嘆する麒麟を、一階席から天井桟敷までくまなく案内してくれ、そこにまつわるあれこれを詳しく説明してくれただけでなく、今日の演目がどんな物語の一部で、どんな歴史があり、見どころがどこにあるのかを丁寧に教えてくれました。
　おかげで、最初の歌舞伎座体験がどんなに忘れ難いものになったことか…！
　おそらくはチケット入手が難しかっただろう、昨年夏の坂東玉三郎の『天守物語』や、今年４月のさよなら歌舞伎座公演を観ることができたのも、彼女のおかげです。
　……余談ながら、煩悩的にも得がたい刺激を受けました。こほん（照）。
　

　愛するマドモアゼル方。ここで麒麟はしみじみ思うのでございます。
　歌舞伎であれ何であれ、それを愛し、かつ詳しい人から手ほどきを受けるのは本当に楽しく、その対象を親しく身近に感じさせてくれる。この友人のみならず、各方面からそうした恩恵を受けている以上、我もまた自らの得意分野において、同じようにお役立ちエンターテインメントを差し出せればどんなにいいだろう、と。

　而して鑑みるに、我が愛する得意分野と申さば……それは間違いなく辺境放浪。
　では、そこから体得し、しかもお役に立てて頂けるブツとは何であろうか。
　「日暮れ時に辺境の寂れた村に到着し、辺りに宿の影なく言葉も通じない状況において、いかに現地の人々とコミュニケーションをはかり、夕ご飯＆一夜の宿を確保するか」……とか？

　いや、ちょっとマニアックか。それでは、
　「かたや丁々発止のやり取りを身上とする中国の市場、かたやお茶を片手に半日がかりで交渉するシリアの市場、異なる東西マーケット文化における値引き交渉術の研究と実例」……とか？

　いやいや、これも少々マニアックか。では、
　「旅先で心惹かれた場所で野宿するにあたり、いかに周囲の安全を見極め、かつ最低限の装備を最大限に活かし、ネイチャーでワイルドな一夜をエンジョイする方法」……とか？
　
　……だめだ。
　どれもこれも、想定する状況そのものがマニアック過ぎる。

　
　という次第でして、愛するマドモアゼル方。
　皆さまのお役に立ちそうなトリビアを、何一つ差し出せない不甲斐なさに俯きつつ、今宵も匍匐後進とともに御前を退出する次第でございます。

　……こ、これが８月最後の雑記とは……（涙）。

　

　……女怪の皆さま。
　８月最後の金曜夜、麒麟は心底感嘆しております。

　２ヶ月の長丁場を経て、ようやく迎えた最終クエスチョン。そろそろご参戦のお疲れも滲み出てくる頃であろう、なんてったってこの酷暑、いろいろな意味でスロー・ダウンなさったとしても無理はない、うむうむ……
　と頷いていた首が、どつかれてムチ打ちになりそうな勢いのひとぽち＆コメント群。


　　　　　　　　　　　　　　　まことに恐れ入りましてございます。（ぺったり平伏）


　息切れなどなさっておられまいかと心配しつつ、やっぱり嬉しくて仕方ありません。
　このラスト・クエスチョンも、今週末で折り返し地点となりました。
　もしやご参戦をためらっておいでのレイディーズ・アーンド・ジェントルメンがいらっしゃいましたら、大丈夫、ひとぽちしてもモニターが爆発したりはしませんので、どうぞお気軽にご参加下さいね♪
　「おかまいなく、もりもり参戦中よ！」と仰るもののふ芥瑚の方々。……引き続きご存分に！（笑）


　　　　　　　　　　　　　　◇　　　　　　　　　　　　　　　　　◇　　　　　　　　　　　　　　　　　◇


　さて、愛するマドモアゼル方。今週末も、頼まれもしないのにトピックをぶち上げてもりもり語り倒す金曜の夜がやって参りました。曰く：

　◆前々回の超あらすじ：　「ケン」といえば「ケン・タカクラ」。問答無用で高倉健である。


　大分以前になりますが、同じく映画好きの母と話をしていたときのこと。
　「そういえば『幸福の黄色いハンカチ』という古い映画があってねー」といわれ、「？　それ観たことないです」と正直に答えたところ、「んまあ、なんて哀れなミジンコなのかしら…！」といわんばかりの視線を注がれ、内心憮然としたものです。
　……いいじゃん、あんまり興味がないんだもん。（むっつり）

　そして同じく映画好きの友人と話をしていたときのこと。
　「そういえば君の国には、『ザ・イエロー・ハンカチーフ』という名作があるね」といわれ、「実は観たことない」と答えると、「おお、なんてアンビリーバボーなミドリムシなんだろう…！」といわんばかりの視線を注がれるに及んで、麒麟は憤然と立ち上がりました。
　……分かったよ。観るよ！　観てやろうじゃないかちくしょーめ！！

　『幸福（しあわせ）の黄色いハンカチ』：　１９７７年／監督・山田洋次／主演・高倉健、倍賞美恵子。

　……かくてこの作品を鑑賞し終えた麒麟は、ハンカチを握り締めて思いました。
　ああ、こんな名作を知らなかった我は、間違いなくミジンコでありミドリムシであった、と。


　舞台は北海道。失恋で何もかもに嫌気が差した軟派な青年（武田徹矢）は、退職金をつぎ込んで買った車で、ドライブがてらナンパをもくろみつつ旅行に出ようと思い立ちます。
　そこで偶然、これまた男に二股をかけられて傷心旅行に来た娘（桃井かおり）を見つけて、おお、いよいよ運が向いてきたか…！　というところで、どこか訳ありげな男（高倉健）と出逢うのです。
　寡黙で謎めいたこの男、いったいどういう人間なんだろう。彼らの疑問は、奇妙な３人連れのドライブの道中で、少しずつ明かされていくことになります。

　実は、彼は網走から出所してきたばかりの元受刑者。以前は炭鉱の街・夕張で鉱夫をしていて、不器用な恋の末に結婚した愛する妻（倍賞美恵子）と一緒に、貧しいながらも幸せな生活を送るはずだった。
　だがこうなった以上は、と離婚を申し出て縁を切り、彼女のことは諦めたつもりだった。それでも出所していちばんにしたことは、別れた妻に葉書を書き、
　「もし、今でも俺のことを待っていてくれるなら、家の前に黄色いハンカチを結んでおいてほしい」
　と知らせることだった。
　だから夕張に向かおうとしているのだが、よく考えれば、これまで散々好き勝手をしてきて、一方的に離婚まで言い渡した男を、彼女が待っているはずがない……。

　
　確かに古い映画なのです。画面の色使いも、人物の感じも、それを取り囲む風景も、炭鉱町が現役であった時代独特の匂いに満ちています。
　そしてこの時代だからこそ生まれ得た、普遍的な名作です。個人的な日本映画ベスト１０を挙げるとしたら、『愛のコリーダ』、『櫻の園』、その他諸々と並んでエントリー間違いなし。たくさんの素晴らしい場面、忘れ難い言葉があり、何より……背中で語る男・高倉健の存在感がものすごい。

　かくてアルセーヌ・ルパンや鬼の平蔵と並び、麒麟は高倉健を「心のアニキ」と慕うに至りました。
　余談に余談を重ねるなら、常世における我が心のアニキ・頑丘！頑丘・超リスペクト！　が煩悩シアターに浮かぶとき、それは少しだけ高倉健に似た雰囲気を漂わせています。
　……今後も登場の見通しが皆無なことが、無性に切なくてならないのですが（涙）。



　　　　　　　　　　　　　　◇　　　　　　　　　　　　　　　　　◇　　　　　　　　　　　　　　　　　◇


　ふと気づけば、今回もまたごっつい雑記の長さ。……愛するマドモアゼル方。
　むしろこっちの方に疲れていたりなさいませんか？

　と、新たな疲労原因の可能性に震撼しつつ、皆さまが今週末も良い休日をお過ごしになられることを願って、御前をしずしず退出する次第でございます。
　……ああ、それにしても芥瑚方！
　投票所を覗くたびに心から思うのは、ほんとに皆さまが大好きだということです。

　……てへ（照）。

　

　
　「今回ばかりは、『俺には選べない…！＠延台輔』的項目は必要ないな。ふっ」
　とギネス片手にかましていた昨夜の余裕は、２４時間以内に打ち砕かれました。


　　　　　　　　　　　　　　　そ、そうか…　項目がもうひとつご入用であったか…！


　愛するマドモアゼル方。
　お寄せ頂いたコメント群を鑑み、「その他」の項目を、「時間軸の中でさまざまに」用にタイトルを変更して参りました。
　……はい。事実上の敗北宣言でございます。

　これすなわち、「開始後たった数日で分析かましたらあきまへんえ」という女怪の戒めでありましょう。
　ご参戦の芥瑚方。時系列に直接含まれない作品をご指名の際には、どうぞこちらの項目をお使い下さいませ。各々のタイトルを挙げて下さる方々もおいでになり、「そっか…それがお好きでいらっしゃる…」と、衝立裏でもじもじ赤くなっております。
　でもほんとに嬉しい。……てへ（照）。

　という次第でして、愛するマドモアゼル方。
　「その他」項目はひとまず封印し、最終週末にフリー・スペースとして復活の予定でございます。
　それまでは何とぞ手持ちの駒……もとい選択肢で、引き続きのご参戦をお楽しみ下さいますように。


　……ああ、なんだかいきなり照れくさくなってきたので、ゴリラダンスで御前退出の失礼を！

　

　先週末にお届けした最終クエスチョン、前回の同問とは大きく異なるその推移を息を呑んで見守りつつ、麒麟はゆゆしき事実に気がつきました。
　……前回は開場直後から山積みだったその他項目のコメント、すなわち「そんなん選べっちゅー方が無理やねん！（怒）」というハリセンが、今回はほとんど見受けられない。

　それの示すところは、すでにして明白でございます。
　曰く、二ヶ月に及ばんとする長期のご参戦、休むことを知らないクエスチョン攻撃によって鍛え上げられたもののふの誇りが、ここに至って芥瑚方の返り討ちスキルを極限まで高めたのだと。


　おお、愛するマドモアゼル方！
　一日ごとに長さを変え、順位を変えていくグラフの推移を、何よりも嬉しく拝見しています。どのひとぽちも心から嬉しく、色とりどりのコメントもまた本当に嬉しい…！
　この時期、例年であれば抑え切れない発作のように疼き始める放浪魂も、今年は極めて穏やかに秋を待つことができる…と申し上げれば、この喜びの深さがお伝えできるでしょうか。
　まだ折り返し地点に届く前から、お礼を申し上げたい気持ちでいっぱいです。
　本当に嬉しいです。ありがとうございます（照）。


　　　　　　　　　　　　　　◇　　　　　　　　　　　　　　　　　◇　　　　　　　　　　　　　　　　　◇


　さて、愛するマドモアゼル方。
　映画『ラスト・サムライ』のヒット以来、「ケン」といえば「ケン・ワタナービー」、すなわち渡辺謙を指す…という傾向が見受けられ、なるほど一理あると納得する昨今です。……が、しかし。
　その前に、何か大切なことを忘れてはいまいか。
　「ケン」という名の俳優を語るとき、真っ先に脳裡に浮かぶ人物が、他にいるのではないか。
　日本映画界の誇る名優にして背中で語る男、すなわち高倉健ではないのかと。

　嗚呼！　この高倉健こそは、麒麟が最も愛する日本の俳優の一人にして、個人的には加藤剛と並ぶ双璧の一峰。国内のみならず、アジア圏においても広く厚い尊敬を集め、「不器用で寡黙な過去に訳ありの男」を演じさせたら右に出る者はいない、と申し上げても過言ではありません。
　もともとは日本の映画作品に今ひとつ疎かった麒麟が、どのようにしてこの名優を知り、その作品を愛するに至ったのか。

　それにつきましては、今はまだ週も半ばのこと、改めて週末に場を移してお話し申し上げたく存じます。
　……こほん（照）。
　

　８月も後半なのに、うっかりすると失神するような酷暑が続いております。
　愛するマドモアゼル方。どうぞ水分補給を存分になさって、少しでも気持ちよくお過ごし下さいますように。
　週末の夜、またすぐにおめにかかりますねー♪　（←しっぽを振りつつ衝立裏に退出）

　

　愛するマドモアゼル方。
　本日は毛並みを梳いて蹄を磨き、ありとあらゆる身づくろいを整えて御前に参上いたしました。

　７月１週から開場の運びとなった、『蓬莱芥瑚生息調査・リターンズ』。
　新旧のご縁を頂いているとはいえ、大波のない穏やかなジャンル、おそらくゆったりまったり進行していくであろう…という衝立裏の予想を虚海の彼方に吹っ飛ばし、愛機ハンキョに蓄積されたデータは、すでにして膨大な量に及んでおります。
　規模としても期間としても、当サイト史上最大の企画になろうとは、夢にも思わない僥倖でした。
　今年の夏の記録的な酷暑も、女怪方が蜃気楼の彼方から召還した溢れんばかりの愛の鳴蝕であることを、麒麟はミジンコほども疑っておりません。

　心から愛するマドモアゼル方。
　あのワールドカップでさえ１ヶ月だというのに、その倍である２ヶ月に及ぶ長丁場を、よくぞ、よくぞこらえて耐え抜いて下さいました（涙）。…嗚呼！女怪の愛、今まさにジダンの頭突きを凌駕せんとす。
　麒麟は今、込み上げる熱い涙で霞む視界をこらえることができません。
　そして涙を拭いつつ、考えました。
　……いよいよ最終質問を迎え、芥瑚方のひとぽちは鋭さを増し、コメントも円熟の極みに達しつつある。
　であるからには、ここはやはりこれをお尋ねすべきではないのか。
　前回、「答えにくいっちゅーねん！（怒）」とハリセンの嵐を頂戴しつつ、それでもなお果敢なご参戦を賜り、女怪の底力を余すところなく発揮して頂いたラスト・クエスチョン。それは……


　　　　　　　　Q-Final：　『天山の小説群で、お好きな傾向をお教え下さいますか？』


　芥瑚方、まずはこちらの時系列の目次をご覧下さいませ。→◆
　当サイトの小説には、ご覧のようにグループ別と申しますか、連作的と申しますか、ざっくりしたかたまりのようなものがございます。
　この中でお好きなものがありましたら、ぽちっとなさって下さいますか？

　期間は（前回のハリセンを考慮して）少し長めの２週間。９月５日（日）２４：００まででございます。
　今回も当然のように、複数投票・大歓迎。お気の向くまま幾つでも、ぽちっとなさって下さいませ。

　上記の時系列には、時間軸の中でさまざまに…とご自由なカスタマイズを前提としたかたまりもございます。選択肢にない場合 は、どうかご自由に「その他」の項目をお使い下さいませ。
　もちろん、選択肢に織り込めないハリセン的コメント（！）も、どうかこちらにご自由に。
　最終週末には、恒例のフリースペースも設ける予定でございます。

　読んで下さる方々のお好きな傾向を教えて頂くことは、書きたいと思うものを自由に書いていく上でも、本当に大きな励みになります。
　これがなければおそらく、書くことをこれほど楽しいとは感じなかっただろう…と心から思うのです。


　愛するマドモアゼル方。
　いよいよ閉場間近となったラスト・クエスチョン、どうぞご参戦をお楽しみ頂けますように…と心から願いつつ、皆さまが良い週末をお過ごしになられるよう、衝立裏からひっそりと投げキッスをお送りする次第でございます。
　ＸＸＸ。暑いので控えめに、それでもやっぱり○。


ＰＳ：　青鳥を下さった芥瑚方。週末にお返事青鳥をサロンにお送りいたしますね。ご自分宛の一羽、
　　　　どうぞさくっと捕獲をお願いいたします♪

　

　お盆休みにもかかわらず、新しい設問にも多くのご協力を頂いていること、本当に心からお礼を申し上げます。「これをお聞きしてもいいのかな…」と設問の前にひとかたならず悩んだこともあり、ちょっぴり引け腰でさし上げたクエスチョンでしたので、もうほっとするやら嬉しいやら…（涙）。
　お持ちの本を見直して下さった方々、そして本をお持ちでない方々にもご協力を頂いていることも、本当に大きな喜びです。
　頂いた票やコメントを拝見していると、なんだか新しい本の装丁を２つも３つも作りたくてそわそわしてきてしまって……　うひょー！早く次の本のデザインに取りかかりたいんだぞー！
　と転げ回るマウンテンゴリラがここに一匹（照）。
　これを参考にさせて頂いて、次の本の装丁にも力を尽くそうと心から思います。
　ありがとうございます、マドモアゼル方ー！（と、愛を込めて叫ぶ熱帯夜）


　　　　　　　　　　　　　　◇　　　　　　　　　　　　　　　　　◇　　　　　　　　　　　　　　　　　◇


　そして今夜はご協力に感謝を込めて、正面玄関に新しい窓を開いて参りました。
　ヨルダン南部に広がる砂漠、ワディ・ラム（涸谷の意）で出逢った、紀元前６世紀の壁画です。

　ほぼ一ヶ月かけてこの一帯を旅行したのは、ちょうどサイトを開く前年の夏。秋から蓬莱に戻って現在のオフィスに入ることが決まっていましたので、「んじゃその前に一発放浪をば！」と思い立ったのですね。
　友人の住んでいたヨルダンを中心に、レバノン・シリアなどの周辺国も回った放浪の前半、ベドウィンのガイドと一緒に数日間を過ごしたのが、このワディ・ラムです。
　今では一面の砂漠となっているワディ・ラムは、数千年前には最古の人類居住地のひとつであったといわれ、おそらくはこの壁画も、周囲が緑だった頃に刻まれたものなのかもしれません。

　マドモアゼル方。正面扉の風景をクリックなさって、より大きな壁画をご覧下さいませ。
　手前右下には、キャラバンの荷物を積んだラクダの列。そして上段奥には、多分馬に乗った人々が弓矢を構えて放とうとしているのがご覧頂けますでしょうか。
　馬の進行方向とは逆に弓を構えるこの姿勢は、麒麟の記憶に間違いがなければ「パルティアン・ショット」と呼ばれ、古代の騎馬民族であったパルティア人が得意としたもの。もしかしたら何らかの関係があるのかもしれませんが、これを初めて目の前にしたときには、ただただ感嘆することしかできませんでした。

　シンプルな線だけで構成されているのに、ひとめでラクダだと分かるこの造形。馬の一群から今にも弓矢を放とうとする人々の、生き生きとした躍動感。
　数千年前に刻まれたものが、幸運でも皮肉でもある気候条件に守られて、おそろしいほどあざやかに目の前に広がっているのです。
　デザイン、そして線画の美しさということを考えたとき、真っ先にこの壁画が思い出され、皆さまにもお目に掛けたいと思ったのでした。

　愛するマドモアゼル方。こちらは例によってお持ち帰りご自由の一枚にて、お気に召した際にはご遠慮なくお持ち帰り下さいませ。
　昼下がりの最も暑い時刻には、おそらく５０度近かった砂漠の乾いた熱風を懐かしく思い返しながら、温かいご協力への感謝を込めて、異国の風景をお送りしますね。

　

　本を作るときの大きな楽しみのひとつは、ずばり「装丁を考えること」だったりいたします。

　びた一枚たりとも絵の描けない絵心音痴が作る小説本であってみれば、表紙および内部の装丁は非常に大事…と申しますか、早い話が凝れる場所はここしかない。
　これ！と思える色合いや質感を持った紙を選び、デザインとなる文様を考え、それらに合うようにインクを選んで全体をまとめ上げていく…というこの作業。あれやこれやの試案の末に、たとえば、

　『書簡集／恋文』：　比較的リリカルな内容だ（あくまで当社比）→んじゃアール・ヌーボーの草花文様を
　『R in B』：　全体に旧約聖書の雅歌を引用したい→では中世写本風の古びた感じのデザインを

　という風に全体のイメージをまとめていくわけなのですね。
　そうしてできあがったものが、「異端の薫りがするケルト文様風＠短編集・異形ノ恋」だったり、「ゴシック教会の装飾に近い雰囲気＠連作集・自由、夜」だったりいたしますと、のちに通販作業部隊から、
　「あのさ……　十二国記って古代中華風ファンタジーなんだよね？違う？？」

　と問われて絶句する、という事態に陥るわけなのでございます。よよよ（涙）。
　そこで麒麟はハンカチ噛み噛み考えました。……そうか。ならば芥瑚方にお聞きしよう。虚海の端っこからお願いして、忌憚のないご意見を伺ってみよう！

　という次第でして、心から愛するマドモアゼル方。
　ラストから２問目となるＱ−６は、『天山の本の中で、お好きなデザインはおありですか？』
　　　（一覧はこちらから別窓でどうぞ→◆）
　

　真っ先に申し上げたいのは、「本をお持ちでなくても、まったく全然構いません」という一点でございます。
　上記の一覧の中から、見た目にお好きなものがあれば、どうぞお気軽にお選び下さいませ。
　そして例によって例の如く、複数投票もばっちりＯＫ。お好きなものがあれば、どうぞお気の向くまま幾つでもぽちっとなさって下さいませ。
　少しばかり気恥ずかしいので（照）、期間はちょっと短めの８月２０日（金）２３：００まで。
　「収録作品の内容というより、純粋に器として見たときに好きなデザイン」という観点からお選び頂ければ、本当に嬉しく、また今後の大きな参考になります。
　忌憚のないご意見をお聞かせ下さいますよう、三つ指でお願い申し上げる次第でございます。（深々）



◆余談
　イベントに参加して周囲の十二国記サークルを拝見すると、ブースに並んだ本の表紙が華やかなことに感嘆いたします。
　多くがフルカラーのイラスト故に、国や登場人物が分かりやすく綺麗で、一目見て「わー楽俊♪」「おお、雁の御仁！」と分かるのですが、翻ってわがブースを見ると心底愕然。
　何処の国だか分からない。……というより何のジャンルかさえも分からないこの表紙。
　
　じゃ、じゃあ、清水の舞台からダイビングのつもりで、ポップでキュートなデザインに挑んでみるか…！

　と拳を握ったところ、お手伝い芥瑚の方々にきっぱり優しく黙殺されたのでした。
　……ぎゃふん。
　
　

　先週辺りから空き始めていた通勤電車が、今週に入ってさらに空き空き状態に。
　ああ、我がマドモアゼル方もまた、お盆休みをエンジョイしておいでだろうか…！
　と中央線の車窓から空を眺めつつ、ハンカチ噛み噛みお送りするボンソワールでございます。

　さて、現在進行中の生息調査、Q-extraの切り替わりが土曜の深夜。
　ですので、今週は金曜日ではなく、その切り替わりに合わせた土曜の深夜に、再びこちらでお目にかかりたく存じます。姿が見えなくともどうかご心配なさらず、残る２日間のご参戦をお楽しみ下さいね。

　……いや。かくも頻繁に雑記に浮上している時点で、麒麟は元気だと丸分かりなのですが（照）。


　
　土曜日から始まる次回クエスチョンは、これまたイレギュラーなブツなのでして、その趣旨は、
　　「ここはおひとつ、ご意見をお聞かせ下さいませんかシルヴプレ？」
　と、つまりはそういうことなのでございます。
　詳細は土曜の夜に改めてお届けするといたしまして、愛するマドモアゼル方。
　酷暑も少しだけ勢いをゆるめたお盆休み、まずはゆっくりと休暇をお楽しみ下さいますように…。


　……そして最後にひっそりと。
　この投票ボードには、残念ながらコメント取り消し機能がついておりません。ほんとにない。

　しかるにコメントをお寄せ下さった芥瑚方。
　……よござんすか。ほんとーに後悔なさいませんね？　（←もう照れくさくて真っ赤）
　
　

　Q-extraをお届けしてから一日後、週末の夜におそるおそるコメントを拝見した瞬間、麒麟は驚愕のあまり横っ飛びにぶっ飛びました。

　……愛するマドモアゼル方。大丈夫でいらっしゃいますか。
　この投票ボードには、コメント取り消し機能がついていないことを、ご存じでいらっしゃいますか。
　夏の暑さからくるお疲れで、もしや蜃気楼などご覧になってはいらっしゃいませんか。
　何より、貴女の麒麟があかんたれのマウンテンゴリラだということを、ご記憶でいらっしゃいますか。


　おお……！（悶絶）
　何だかもう、床にのめり込んでしまいそうになるようなコメントを、かつてない照れの極致で拝見しております。（モニターにＴＶカメラ機能がついてなくてほんとによかった…　もう顔が真っ赤です…（照））
　…いや。一度お尋ねしたクエスチョン。麒麟に二言はありません。
　愛するマドモアゼル方。週末までの数日間……

　　　　　　　　　　　　　　　どうかご存分にご参戦下さいますよう。（平伏）



　当初８問と申し上げていた質問は、Q-4&5で充分に回答が吸収されたため、計７問となりました。
　よって、現在の質問が終わりますと、残すところあと２問となります。
　こんなに楽しい企画になろうとは、開場の頃には夢にも思わなかった…！（喜）
　毎日新しい票やコメントを頂いて、その動きやお寄せ下さった言葉を拝見するたびに、これまで知らなかったことを知る喜びでいっぱいになります。
　ありがとう、皆さま。大好きです（照）。




　ああ、でもでも……それでもやっぱり……

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　照れくさいんだぞー！（←真っ赤になって遁走）

　

　真夜中のご挨拶を、愛するマドモアゼル方。

　前回…というより昨夜の雑記で、
　　「Ｑ−４について、前回の同じ質問結果と比較した結果、変化が生じていることに気づいた」
　と申し上げました。それは、
　　『数年前に比べて、ご訪問下さる方々の層に、景陽以外の裾野が広がっているのではないか』
　ということなのでございます。

　実は、これまでずっと、当サイトをご訪問下さる方の、そのご訪問の唯一にして最大の理由は、
　　「ここが景陽サイトだから」
　だと思っていたのです。
　けれども、こうしてご回答頂くと、景陽しかないと思われる（ある意味間口の狭い）当サイトに、それ以外のＣＰを好む方々も、さらにノンカップリング派の方々も、こんなに多くいらして下さっている。
　これは思いもかけない驚きで、本当に大きな喜びでした。
　今夜から始まるQ-extra、設問の根拠のネタばれは、実にここにあるのです。


　お問いかけする飛び入りクエスチョンは…
　　　　Q-extra: 『天山をご訪問下さる、その理由をお聞かせ頂けますか？』

　
　妥当な選択肢として、まずは「景陽が好きだから」。
　ついでもう少し幅を広げて、「慶国の話が好きだから」。
　さらに、他ＣＰ＆ノンＣＰも含むことになる「国やＣＰに関わらず十二国記の二次創作が読みたいから」。
　……イベントなどでかけて頂いた言葉を元に、イレギュラーな選択肢もひとつ、あったりなかったり（汗）。

　上記の選択肢にない場合には、どうぞ『その他』をご自由にお使い下さいませ。
　もちろん、複数投票もばっちりＯＫ。
　今回の設問はちょっと変則的かな…とも思い、設問の根拠などを分け入ってご説明さし上げたのですが、そこはシンプルでアバウトを身上とする当サイト。
　　　『Don't Think, Feel』 （by ブルース・リー)
　的勢いで、どうかお気軽にご参加頂けますと、本当に嬉しく幸せです。…てへ（照）。
　

　新しい設問開場のときは、何度くり返してもほんとに緊張するので、これから目をつぶって舞台裏に駆け込んで、夜食とギネスに埋もれようと思います。
　愛するマドモアゼル方。どうぞ引き続きよい週末を！　そしてお盆休みに赴かれる方々、どうぞ素晴らしい休日を♪　（投げキッスとともに退場）

　

　突然ですが、愛するマドモアゼル方。
　現在進行中の『蓬莱芥瑚生息調査』、そのＱ−４の分布状況を仔細に検分し、前回の同じ質問結果と比較しているうちにですね、明らかな変化がひとつ、生じていることに気づいたのです。

　…ふむ。実に興味深い。何故だろうか。
　できることなら、ここをもう少し突っ込んでお尋ねしたい…と、元へっぽこアナリストの心が疼く…！

　という次第でして、大変愛するマドモアゼル方。
　Ｑ−４の終了を一日繰り上げ、「数日の休みを挟みます」と申し上げたお休みを返上して、飛び入りクエスチョンを１つ、さし上げてもよろしゅうございましょうか？

　「ああ…助平心に満ちた麒麟だもの、こんなこともあるんじゃないかと思ってたわ…」
　と、たった今、モニターの向こうで嘆息なさった芥瑚方。

　　　　　　　　　　　　　　　　……ご明察、痛み入りましてございます。（平伏）



　という次第でして、心から愛するマドモアゼル方！
　　　現在進行中のＱ−４は、期日を１日繰り上げ、明日８月７日（土）２４：００に終了。
　　　休日を返上して、ただちにＱ−５＠飛び入りクエスチョンに移らせて下さいませ。

　Ｑ−５の内容や設問の根拠については、また明日の夜に詳しくお話しするといたしまして……
　蓬莱芥瑚の皆々様。
　残りジャスト２５時間、最後の駆け込み的ひとぽちをお楽しみ頂けますと、衝立裏も幸甚の至りでございます。……色とりどりのご意見があるので、もう拝見しているだけで、ほんとに楽しくて楽しくて！（喜）

　では、また明日の夜に再びお目にかかりまする。
　愛するマドモアゼル方。良い週末、そしてお盆休みをお迎え下さいますように…。



　ＰＳ：　たくさんの青鳥を下さった芥瑚方。……ありがとうございます（涙）。
　　　　この週末には、てんこ盛りの愛を込めて、サロンＢＢＳにお返事青鳥の群れをお送りする予定で
　　　　ございます。ぴーちくぱーちく、少々賑やかになるかとは存じますが（笑）、ひしめく青鳥の中から
　　　　ご自分宛の一羽を、どうかお受け取り下さいますように。ＸＸＸ、もいっこＸ。


　

◆ 通販終了についてのお知らせ ◆

　再販・『樹の組曲・番外編』が完売になり、新刊・『R in B』の通販分在庫も同時になくなったため、以前雑記で申し上げたように、水曜日に通販を終了いたしました。
　ですが、終了前にお申し込み下さった方・１名のメールが、こちらに届いていなかったことが判明しました。

　これまで同様の事例がなかったため、綿密にメール・フォームのチェックを行ったところ、特に不具合は見つからず、日々頂くお便りも問題なく手元に頂戴しています。こちらについてはご安心下さい。
　ですが万が一、同様の方が他にもいらっしゃるとしたら、それは大変！　
　一大事である上に、ジゴロの名折れ！！（←もしもし？）

　愛するマドモアゼル方。もし水曜以前に通販のお申し込みを送ったにもかかわらず、まだ返信が手元に来ていない…という方がいらっしゃいましたら、お手数ですが、もう一度メールを頂けますか？
　メール・フォームでもＢＢＳでも構いません。ご一報頂ければ、謹んでご返信さし上げ、次回イベント用に保管してあるものを開けたいと思います。
　どうぞよろしくお願い申し上げます。……深々と伏礼。