仕事を終えてオフィスを出ると、もう外は真っ暗になっていて、ついさっきまでは、「…もうへとへとだ…」と思っていたのに、冷え込んだ夜の中を歩いているうちに、解放感のようなものがひたひたと満ちてきて、
　　「おお、夜はこれからだ！　帰ったらグラス片手に、煩悩シアターでひと仕事するか！」
　と、大変すっきり爽やかな心持ちになって参ります。

　煩悩とは、これすなわち夜行性の生き物である。
　といろいろな意味で実感する瞬間です。…しみじみ。


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　さて本日は、前回の雑記に記したごとく、今回のリクエスト作品のＢＧＭについてお話しすべく、冬の虚海を渡って参りました。
　今回頂いたご注文は、「この音楽をもとに、そこから派生する物語を自由に書いてちょうだい」という新しい形のリクエストでした。ご指定の音楽は、マーラーの交響曲第五番・四楽章アダージェット。通称、「マーラーのアダージェット」として知られる一曲です。

　上記の名前で意識したことはなくても、おそらく多くの方々が耳になさったことがあるだろう…と思われるこの曲を、かくも有名にしている理由のひとつは、映画・『ベニスに死す』のＢＧＭとして、非常に効果的に使用された音楽である、ということではないでしょうか。
　耽美と退廃を描かせたら他の追随を許さない…というより、もはや誰もついていけないイタリアの巨匠・ヴィスコンティ監督によるこの作品は、「映画史上最大の美少年」と呼ばれるビョルン・アンドレセンの美貌を余すところなく写し撮った映画でもあります。そして、かつて映画１００−Ｑで触れたように、
　　あの冷たく硬質な容貌に、少年時代の景台輔の面影を見た。
　というのは、まったくの余談なのでございました。…けほん。

　そうしてリクエストを頂いたとき、上記の諸々が反射的に脳裡をよぎるのを感じつつ（笑）、本当に久しぶりにそしてどきどきしながら、この曲を引っ張り出して聴いたところ…
　不埒な煩悩も即座に吹っ飛んだほど、それはもうこの上なく美しい音楽だったのでした。（深々と嘆息）

　甘美で憂いを帯びた、流れるような旋律。沸点のわずか手前まで行きながら、抑制を持って引き下がる、はりつめた弦楽器の音色。始まりなのか終焉なのか、定かには分からないながらも、何かを予兆するような行間の余韻。
　こりゃ完全に位負けだ…（涙）と肩を落としつつも、一心に耳を傾けずにはいられず、任せて頂いたタイトルもやがて自然に生まれて前後篇となったのが、今回のリクエスト作品・『Unfaithfully Yours』です。

　週末のサロンでも申し上げたのですが、リクエスト作品の喜びは、思いがけないご注文を頂いて、ひとりでは書けなかったはずのものを生み出せること、そしてその誕生から更新までの過程を多くの方々と共有して頂けることに尽きます。
　そうしてしみじみと先を書き進めつつ、前編が終わった今現在、今でもよく分からないのは、

　かくも美しい音楽を背景にしながら、何故に主役二人が険悪なムードに突入せなあかんのや？

　という煩悩の神秘だったりいたします。
　…むっつり。

　

　先日、２つの映画を続けて鑑賞したところ、１つは非常に印象深く余韻の残る佳品、１つが非常に消化不良な駄作でございました。
　行き場のない退廃を描こうとしているのは分かるんだけどなー、いかんせん主人公が幼稚なんだよなー、甘えと退廃を混同されても、「ああそうですか」としか言えないじゃないか…　とぶつぶつ呟いていたところ、付き合ってくれた友人が、おっとりと微笑みながら一言。
　「そうね。暁子ちゃんは昔から、変態については一家言あったものね」

　……あまりの衝撃に突っ伏したまま、しばらく顔を上げられませんでした。

　嗚呼。まるでマーガレットのように清楚な彼女の口から、そんなあられもない単語が飛び出そうとは。
　というか、これまでの友情が、かような認識の上に成り立っていたとは。（涙）

　

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　ボンソワールでございます、愛するマドモアゼル方！
　三連休の初日、今宵も麗しく虚海をお渡りでいらっしゃいましょうか？　変態には一家言ある麒麟より（涙）、謹んで金曜夜のご挨拶を申し上げます。
　幾つかの予定が重なったため、もしかしたら週末の更新は難しいかも…と危ぶんでいた虚海渡りも、さっくり叶ってひと安心なのでした。…てへ（照）。

　本日お届けするのは、６５万打リクエスト作品 『Unfaithfully Yours』、その前編でございます。
　マーラーのアダージェットをＢＧＭに、そこから派生する物語を自由に…というご注文を頂いたこの作品。
　ベースとなった上記の音楽につきましては、週明けの雑記で改めてお話しするといたしまして、まずは前編をお楽しみ頂けますと、大変嬉しゅうございます。
　小説の更新ができるって、こんなに嬉しいことだったんだ…！　としみじみかますセルフ・ハリセンまでもが嬉しく感じられる冬の夜。
　煩悩を払うはずの除夜の鐘は、今年も頭上を素通りしそうな気配です。

　あんなに暑かった夏が終わった後は、ほとんど秋を感じる暇もなく、あっというまに寒くなってしまいました。
　マドモアゼル方。どうぞ温かくなさって、三連休をお楽しみ下さいますように…。
　そして青鳥を下さった芥瑚方。後ほどサロンからお返事青鳥をお届けいたしますので、休日の終わりにご自分宛の一羽をお受け取り下さいましね♪

　

　今日は東京でも最初の木枯らしが吹いた、寒い朝でした。つい先ほど、札幌から「今日も雪だったわよ♪」というお便りを頂いたばかりです。
　愛するマドモアゼル方。今夜もモニターの向こう側で温かくなさっておいででしょうか？
　愛機ハンキョの前で、麒麟は今、ちょっとだけ寒さに震えております。（ハロゲンヒーター、出そうかな…）


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　さて。本日はお日柄もよろしく、新しいトップ写真をお届けに上がりました。
　クリスマスを翌月に控えた１１月下旬、お目にかけるのは、ルーマニア東部・水辺に建つギリシャ正教会の風景でございます。
　隣国モルドヴァに国境を接する、カルパチア山脈に沿ったルーマニア東部を旅行したのは、ちょうど１０月に入ったばかりの頃。ですが、朝夕は息が真っ白になるほど寒く、山並みや森の様子もすっかり冬の眺めになっていました。
　街の東部を流れる河に沿って歩いていた朝、川霧の向こうに霞んでいたのが、このギリシャ正教会です。
　橋を渡って正面扉の前に立ち、そっと中を窺ってみると、薄暗い祭壇の前で、小さな赤ちゃんを抱いた父親が膝をつき、年老いた司祭から祝福を授かっていました。
　こちらに気づいた司祭の方に、中へ入るように促され、それからしばらく教会の中で時間を過ごしました。
　重厚で荘厳なギリシャ正教の装飾、風変わりな香の薫り、眺めている内にどうしようもなく物悲しくなるようなイコン画に囲まれて、随分長くそこに座っていたことを、この写真を見ている内に思い出しました。
　特に何があった訳でもなく、特に何かを考えた訳でもないのに、ずっと後になっても記憶に残るのは、決まってこうした名もない時間であることを、いつも不思議に思います。

　マドモアゼル方。よろしければトップ写真をクリックなさり、川辺に建つ教会の全景をご覧下さいませ。
　モノトーンで撮ることしか考えられなかったほど、静謐で物悲しいこの風景の中へ、ご一緒して頂けると幸いです。


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　そして本日はもうひとつ、Novel頁に次回の予告をお届けしております。
　今回は前後篇、ああ、久しぶりにこの長さのものが書けて、本当に嬉しいんだなこれが…！
　と喜びに悶えつつも、何やら今週末は突発的な、しかも一度突発したら外せない予定が入りそうな、あやしい雲行きなのでございます（涙）。
　万が一、更新がずれ込むようでしたら、こちらの雑記か、もしくはサロンＢＢＳで可及的すみやかにお知らせいたしますね。
　書き手に取って小説の更新はやはり本当に楽しく、そして楽しみにお待ち下さっている方々がおいでだと窺うことは、それ以上に嬉しいことなのでして（照）、こうして予告をお届けできることがとても幸せです。

　それでは、愛するマドモアゼル方。今週末は三連休、良い週末をお過ごしになられるためにも、どうぞ温かくしてお休み下さいますよう…。また週末にお目にかかれることを、心から楽しみにしておりますねー♪

　

　愛機ハンキョに向かう足元が、今夜はぐっと冷え込んでおります。
　冬支度も万端に、今宵も麗しく虚海をお渡りでいらっしゃいましょうか、愛するマドモアゼル方？
　この時期にハワイに行っていたという罰当たりな友人から、素晴らしく香りのよい珈琲豆をせしめましたので、まずは一杯どうぞ♪　とモニター越しにカップをさし出したい気持ちでいっぱいです。
　
　本日は、イベント月間レポートの後半２章を携えて、御前に参上いたしました。２週に渡ってお届けしていた宴の報告も、これにて完結でございます。
　…嗚呼、胸の底に漂う一抹の寂しさ。そして、それをはるかに上回る充足感。
　こうしてレポートのお届けを終えたからには、この深い喜びを胸に、次なる煩悩的諸事に鋭意取り掛かりたく存じます。
　次回新刊の編集作業をそろそろ開始して、それからトップ写真も新しいものを、次回オークション数値の設定も忘れてはならないぞよ…と、所詮どこまで行っても煩悩まみれなのですね。
　…てへ（照）。

　愛するマドモアゼル方。東京・大阪のイベントにおいで下さった方々も、モニターを通してご覧下さっていた方々にも、どうかレポートを通して同じ空気を分かち合って頂けますように…。
　そして冷え込みが厳しくなり始めるというこの週末も、どうぞよい休日をお過ごしになられますよう、心からのご挨拶をお送りいたします。ＸＸＸ。

　

　しばらく続いていた不調も少しずつ回復し始め、本日は久しぶりにゆったりと虚海を渡って参りました。
　おお、愛するマドモアゼル方！　変わらずおすこやかでいらっしゃいますか？

　今日はLibrary頁から、イベント・レポートの前半２章をお届けいたします。「大人しく寝ていないと、逆さ吊りにするわよ（怒）」と体調をお気遣い下さった芥瑚方。
　だ、大丈夫、決して無理はしておりませんので、その手のプレイは回復の後に…！（←もしもし？）

　東京・大阪の会場においで下さった方々にも、サイトを通してご覧下さっていた方々にも、どうぞ当日の模様＆舞台裏をお楽しみ頂けますように…。


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　そしてお見舞い青鳥＆到着速報を下さった方々。
　今週末に少しずつ、サロンからお返事青鳥をお届けする予定です。お時間がおありの際に、どうぞご自分当ての一羽をお受け取り下さいましねー♪

　今週末の東京は雨模様、気温も随分低くなるという予報です。
　愛するマドモアゼル方。どうぞ温かくなさって、よい休日をお過ごし下さいますよう、心からの投げキッスとともに週末のご挨拶を申し上げます。ＸＸＸ。

　

　先週の抜歯以来、うっかり本格的に体調を崩してしまいました。
　金曜の夜、やっとの思いでサロンに休暇届を提出した後は、そのまま失道体験ツアーに突入。蒿里の麓をかすめて、なんとか虚海へと戻って参りました。

　……嗚呼、愛するマドモアゼル方。
　再び生きてお目にかかれて、麒麟は感無量でございます。（←大粒の涙）

　静まり返った正面玄関でびっくりなさった方々、そしてＢＢＳや青鳥でお気遣い下さった方々。唐突な展開に心からお詫び申し上げますとともに、温かいメッセージがすごく嬉しかった…（涙）。
　本当にありがとうございます。
　おかげさまで痛みも引き、後は微熱が残っている程度となり、幸いにも明日はお休みですので、このままゆっくり療養に努めたく存じます。（こ、今回の失道はきつかった…！）

　それから、ちょっぴりお知らせが遅くなってしまいましたが、先週末のイベント以来、青鳥を下さった芥瑚方。同じくサロンへとお返事青鳥をさし上げております。どうぞご自分宛の一羽をお手に取ってご覧下さいますように…。


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　そして天山書房・通販窓口から小さなお知らせを。
　『自由、夜／Liberte, la nuit』の在庫状況が、「残部やや少」から「残部少」となりました。

　今後再販の予定はなく、残部がなくなり次第、完売御礼となります。ご希望の方がいらっしゃいましたら、通販窓口から青鳥をどうぞ♪　なのでございます。（深々と伏礼）


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　 元気、といえば、「猫ちゃんたちは元気ですか？」と、このところ幾人かの方々からお尋ねを頂きましたので、本日は２匹の妖魔＠両親宅の映像とともに、しずしずと御前を退出いたしたく存じます。

せんべい＠ご飯を待つときは三つ指が基本やで

もなか＠おかわりが欲しいです♪