蓬莱ライフでも煩悩シアターでも、週末の完徹が恒例行事となりつつある今日この頃。
　青白く明け始めた空を見ると、「…む。不本意だが、少し休まねば」と思うようになりました。
　……愛するマドモアゼル方。おすこやかでいらっしゃいますか？　
　麒麟は一度風邪でも引いて、寝込むべきかも知れません。

　週明けの本日は、まずリンクに景陽小説サイト「ちょい甘」さまをお迎え。バナーのさくらんぼにも似た爽やかな甘味をお求めの方々、ぜひご訪問を♪　（ういうーさま、こちらも「おつなぎ完了」でございます！（笑））

　そして週末に第二問へと切り替わった「蓬莱芥瑚・生息調査」。
　……あのう、でございますね。わたくし思いますに、その…　いや……
　今はただ生き延びて、終了を見届けたいと願うばかりであります、青将軍（涙）。
　息も絶え絶えな麒麟より、コメントへのお返事を一部サロンにお送りしてありますので、お時間のあるときにご覧下さいましね。
　わずか二問目にして圧倒され、早くも完走の自信がなくなりかけて、いたり、いたします…。（ぱたり）


　この週末、アマゾンに予約していた映画のＤＶＤが届きました。
　タイトルは『黄昏』。かつて最初の小説投票後記や映画１００-Ｑでも触れた作品です。
　この燻し銀のような佳作は、晩年を迎えた夫婦の絆や、お互いに偏屈な老人と少年の交流、そして長年の葛藤を抱えた父と娘の姿を静かに描いています。
　湖の風景に美しい主題曲が重なる冒頭から、すでに涙を堪えて横を向く管理人なのですが、この映画が個人的に特別な理由は、形は違えど自分と父の姿が重なるからでもあったりします。
　寡黙な父と気性の荒い娘。正反対に見えながらも非常に似た性格のためか、一時は勘当上等なレベルまで対立したことも、実はございます。
　そうした紆余曲折を経て、父に対する強い愛情を自覚するとき、この映画を見て泣かずにいることは難しい。
　そして、これほどの傑作が期間限定で９８０円、マルボロ３箱分で永久所有ＯＫという事実に、嬉しいようなもどかしいような、複雑な感慨を覚える冬の夜なのでした。


　…と、思わぬ告白を咳払いでごまかした後。
　今週の半ば、水曜日頃には、新しいトップ写真＠入魂の一枚をお届けいたしますね。
　それではマドモアゼル方、良い一週間をお過ごし下さいますよう。（にっこり）
　

　「虚海沖に大型ハリケーン発生　煩悩列島を直撃の恐れ」
　　　　　　　…今の状態を新聞の一面記事風に申し上げると、このようになりましょうか…。

　麒麟の秋の放浪は、思わぬ大型台風を呼んでしまいました。帰国後、煩悩の赴くままにPCと戯れたところ、
　　　　　・　前後編だったはずの３０万打リクエスト作品は、全３章を越えるかも知れず、
　　　　　・　着地してしまった「秋の煩悩・指定付き」は、その他大勢とともにストック内で仕上げを待っており、
　　　　　・　新刊の編集作業も、そろそろ大詰めに入る段階。
　　　　　・　そこに収録される書き下ろし作品は、現時点で１０Ｐ（！）に達しつつある一方、
　　　　　・　「生息調査」にお寄せ頂くコメントが、ノン・ストップで新しい煩悩映像を生んでしまう…！！

　…マドモアゼル方。事態ここに至り、麒麟は断腸の思いで精進潔斎に入る覚悟を決めました。
　まずは涙を呑んで数回だけ、小説更新にお休みを下さいますよう。代わって雑記更新を週３回程に増やし、完成品のご報告や新刊のご案内、その他諸々のお知らせを矢継ぎ早に。また１２月のトップ写真には、「この一枚をお届けしたかった！」という入魂のブツが登場予定です。
　……どこが精進潔斎やねん！
　と、ハリセンが飛んで来そうなぎっしり加減なのですが（笑）、実はこれ、年末を迎えての「相互コミュニケーション愛護週間」なのでございます。

　マドモアゼル方。皆さまは、麒麟が皆さまとの日々のコミュニケーションをどんなに愛しているか、ご存じでいらっしゃいましょうか。
　 小説の基が煩悩シアターの映像であるように、サロン＠BBSや青鳥メールの皆さまの言葉は、実はいつも音声を伴って、麒麟の中で再生されています。
　そして現在進行中の調査にお寄せ頂くコメントも、すべてが音声付なのでございます。
　まるで花のようなさざめきを耳元近くに聴きながら、ひっくり返ってセイウチのように笑ったり、ほっほう！と膝を叩いてみたり、思わず目頭を抑えつつハンカチを探してみたり。
　ああ、双方向のコミュニケーションってこんなに楽しかったんだ…！と改めて実感する麒麟は、これを機会にさらなる主従の絆の深化を願っているのでございます。（←真顔ながら…や、やはり照れまする…）

　まだご参加をためらっておいでのマドモアゼル方。大丈夫、お気軽に一度、ぽちっ！とお試し下さいませ。
　さらに清き「ひとぽち」の興奮冷めやらぬときには、どうぞサロンや青鳥をお使い下さいませ。麒麟が心からお越しをお待ちしております。
　そしてすでにご参加済みの歴戦芥瑚の皆さま。…もはや何を申し上げる必要もございますまい。
　満ちて溢れる女怪の愛を、投票ボードにハリケーンの如く叩きつけて下さいますよう。（伏礼）

　それでは、蓬莱芥瑚の皆さま。
　本日の調査は、新しい質問へと切り替わっております。これこそは複数投票を最も必要とする調査項目かもしれず、故に頭をお悩ませになる必要も毛頭ございませぬ。
　どうぞ愛の赴くまま、お好きなものにお好きなだけ、入魂の「ぽちっ！」を投げ入れて下さいますよう。
　コメントへの返信も、随時可能な限りこちらからさし上げることにいたしますね。
　それではすべてのマドモアゼル方、どうか楽しい週末を！


追記：　…などと申し上げながら、最も懸念されることは、皆さまのコメントに煩悩を抑え切れなくなった麒麟
　　　　　が、精進潔斎をすっ飛ばして小説更新を始めてしまうのではないか、ということだったり…（涙）。
　

　それは昨夜遅く、つまり本日未明のことでございました。
　すこやかに暴れる煩悩を抱え、元気よくPCを立ち上げた３分後。麒麟はすべての動きを停止しました。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　……煩悩ストックが、消えている。

　秋の放浪から戻り、奔流のような勢いで書き止めた煩悩の数々。それが影も形もないのです。
　フリーズしたまま必死に頭を回転させ、どうやら先日のディスク・クリーンナップで操作を誤り、勢い余ってごみ箱からも削除してしまったらしいと気づいたとき、麒麟にはもうセルフハリセンの気力すら残ってはおりませんでした。
　時刻は底冷えのする深夜。無言でベランダに出てマルボロを消費した後、麒麟は受話器を握りました。
　かける先は相棒、海外出張ど真ん中でございます。

　「もうすべてが空しいので、剃髪して仏門に入ろうと思う」
　唐突な出家宣言に、彼もさすがに驚いたようでしたが、事情を呑み込むと、笑いを堪えつつこう申しました。
　「大丈夫。『窓の社』というサイトに行ってごらん。そこに削除されたファイルを復元するソフトがあるから、今すぐダウンロードして探せばきっと見つかるはずだよ」

　――マドモアゼル方。
　将来皆さまが同様の苦境に陥られた際に備え、麒麟は力いっぱいこのソフトをご紹介申し上げたいのでございます。サイト名は『窓の社』、その名も『復元』というソフト。
　ダウンロード形式なのでPCへの負担が少なく、しかもフリー配布。近日内に削除されたファイルなら、かなりの確率で復元が可能。逆にファイルの完全削除もでき、いざというときの証拠隠滅もばっちりです。（←は？）
　こうして数時間後、煩悩ストックすべての復元に成功。麒麟はまたも完徹の払暁を拝んだのでした。
　――またひとつ、人生の荒波を乗り越えた気がいたします。

　そして今朝。再び電話をくれた相棒いわく、「…で、出家の日取りはいつ？」
　おお、親愛なる人よ！　大変残念なことに、何故か一晩で還俗してしまったのですよ。（にっこり）


　　　　　　　　　　　　◇　　　　　　　　　　　　　　　　　◇　　　　　　　　　　　　　　　　◇


　…と、 肝心の「ちょこまかしたお知らせ」がすっかり吹き飛んでしまったのですが（笑）、こちらはまた改めて金曜日にお送りいたしますね。
　そして、麒麟も心から楽しみに見守っている「蓬莱芥瑚・生息調査」。こちらも金曜夜の更新で、次の質問に切り替わります。今度はもう少し突っ込んだ（？）質問をご用意の予定。
　すべての芥瑚方。どうぞ引き続き、心行くまで追い込み＆ご参戦をお楽しみ下さいますよう…。


　＞楽陽好きなマドモアゼル
　　邪道などとはとんでもない！　「人はすべて煩悩において平等である」と、虚海憲法は高らかに謳って
　　おります（笑）。どうぞご案じにならず、ご参加をお楽しみ下さいましねー♪

　＞ノンＣＰ派・最初のコメントの御方
　　伏礼とともに一言だけ、申し上げるご無礼をお許し頂けますならば…
　　愛に成就の文言なし。これを出したら最後、使令に骨まで喰われる…！という包括的長編まで、決着は
　　つきませぬ。チャンネルはどうぞ、そのままで！（←爽やかな笑顔）

　＞尚陽オンリーだったはず（笑）のマドモアゼル
　　あの、実はわたくしめ、一方的に貴女さまを存じ上げているやも知れませぬ…！
　　もし間違いでしたらどうぞご寛恕の上、新しいご縁の始まりと思し召して、この返信をご嘉納下さいね♪

　＞「天山で景陽に嵌まったわたしをええいどうしてくれる！」な芥瑚方
　　…嗚呼。これほど甘美な愛の告白を、主の口から聞く日が来ようとは…！（←胸を抑えて昏倒中）
　　この責任をお取りすべく別途プロポーズ申し上げたいのですが、よろしいでしょうか？
　

　ぜ…
　前線は熾烈であります、青将軍。（呆然）

　日曜深夜に調査を開門、その後プチ放浪をかまして虚海へ舞い戻った麒麟を、吹き荒れる愛の嵐が直撃いたしました。
　あっというまに山盛りになった票やコメントの、なんと正視しがたくも眩しいこと…！（涙）
　「きっと単発のレポートに収まる規模だろう。うんうん」　などとまったり構えていた麒麟は、瞬時にしゃっきりと目が覚めました。
　かくなる上は持てる技術と知識を総動員し、日本野鳥の会から助成金をもぎ取る勢いで、調査・分析に励みますとも！（←早くも申請準備中）

　以前から「天山の運営方針は相互コミュニケーションでございます」　と（恥ずかしげもなく）申し上げておりましたが、こうして票やコメントを拝見しながら感じるのは、まぎれもなくこの相互コミュニケーションの喜びです。
　同じものや違ったもの、これまで気づかなかったことへの新鮮な驚きが、何と大きな喜びをもたらすことか！
　ひっそり慎ましやかな一票一票、花のように瑞々しいお言葉、そして過去数回の投票を経てもはや匠の技と化した濃縮コメントの数々を拝見するたびに、麒麟は愛の目眩に襲われるのでした。…はふ。

　まだ始まったばかりの蓬莱芥瑚・生息調査。すべての皆さま、引き続きご存分にご参加下さいましね。
　いつも衝立の陰から見ているだけなの、と仰る芥瑚方。「最初の一歩を踏み出してしまえば、後は大丈夫」と先達も名言を残しておいでです。
　ご遠慮などなさらず、この機会にさっくりとモニターのこちら側へお越し下さいましね。麒麟もとても楽しみにお待ち申し上げております。（にっこり）

　今週は幸いにも祝日がございますので、水曜辺りにもう一度、こちらを更新できればと考えております。
　その際にはちょこまかしたお知らせを幾つか携えて、再び御前に参上いたしますね。
　それではマドモアゼル方、しばしごきげんよう！


　追記：　今回は企画の黒子に徹し、ひとつひとつのコメントにお返事を差し上げるのは控えるべきかと
　　　　　　考えていたのですが、今は何やら心が揺れております。…ど、どういたしましょう、芥瑚方…？
　

　日曜になったばかりの深夜、正装にてご挨拶に上がりました。ごきげん麗しゅう、マドモアゼル方。

　本日トップ頁から開門いたしましたのは、「蓬莱芥瑚・生息調査」。
　蓬莱では（何を間違ってか）アナリストを生業とする管理人。思えばサイト開設直後から、
　　　「いつかこうした調査を行って、ご訪問下さるマドモアゼル方の愛の傾向を知りたい…！」
　と切に願っておりました。
　このたびようやく念願叶い、早くも開始前から落涙の危機に襲われております。

　以下簡単に、調査の概要をご説明申し上げますと…
　　　目的：　天山にお越しのマドモアゼル方（＝蓬莱芥瑚）の愛の形、及びその傾向と対策の調査・分析
　　　方法：　１）　景陽に関する質問を５−６個ご用意　（投票ボード形式 / 一部その他形式）
　　　　　　　　２）　一定の周期で質問の入れ替え　（一部すっとんきょうな問いを含む）
　　　　　　　　３）　複数回答もばっちりOKとする　（愛の多様性を考慮して）
　　　結果：　集約・分析の上、「蓬莱芥瑚・生息調査＠愛の鳴蝕」として、レポートでのご報告

　「間違って紛れ込んじゃった気がするんだけど…」と首をかしげておいでのマドモアゼル方。
　「いや、どちらかといえば班渠なので…」とためらっておられるムッシュー方。
　――何の障りもございませんとも。
　これも何かのご縁と思し召して、どうぞお気軽にご参加下さいましね。（にっこり）

　まずは開門初日、最初のご質問は「基本の“き”」から（笑）。お好きなものに幾つでも、ぽちっとなさって下さいませ。虚海の中心で愛を叫ぶために、コメント欄もご用意いたしました。「その他」の項目とあわせ、ご自由にお使い下さいますよう…。
　入り口はNovel頁上部にもあり、こちらは別窓での開門。そして質問は数日の間隔を置いて切り替わります。直前にはBBSなどでお知らせいたしますので、お時間のあるときにご覧下さいましね。

　それでは、蓬莱芥瑚の皆さま。
　本日からおそらく年末まで、満ちて溢れる愛の形をご存分にボード上にてご披露下さいますよう…。
　ご参加を心から楽しみにする麒麟より、伏礼とともに開門のご挨拶を申し上げます。（しずしずと伏礼）
　

　この一週間で急激に気温が低くなり、すでに季節は冬なのである…と感じ入る１１月下旬。
　風邪など召されず、おすこやかにおすごしでいらっしゃいますか、マドモアゼル方？
　秋の煩悩を放牧していた樹海からいったん舞い戻り、今週は麒麟も冬支度を整えました。ガスファンヒーターを設置し、愛機ハンキョの足元にはフリース膝掛けを用意し、ロングコートや革手袋も準備完了。
　ここで冬の煩悩が育まれていくのかと思うと、蓬莱のわが堂室を眺め、麒麟も感無量でございます。

　さて。あれは昨年のサイト開設から、半年ほど経ったある日のこと。
　電子の虚海で十二国記サイト遊泳を楽しんでいた麒麟は、とある文言に出くわしました。
　「管理人、現在修羅場につき、サイト更新をしばらくお休みします」

　………修羅場。
　この画数の多い単語から、いわゆるひとつの “愛憎のもつれ” しか連想できなかった当時の麒麟は、
　　　「そ、それは難儀な！　しかしこの場で打ち明けて下さるとは、なんと率直なお人柄であろうか…」
　と、ひとり目頭を抑えたものでした。
　あれはイベント＆新刊の準備だったのだ！と今なら分かる麒麟は、
　　　「…その一年半後、おまえも同じ準備にいそしむことになるのだよ」
　と、あの頃の自分に囁いてやりたい気持ちでいっぱいです。

　そこでマドモアゼル方。
　ここで唐突に、逢瀬のお誘いを申し上げたく思うのでございます。
　来年１月２２日（日）、東京・浅草橋近辺においでになるご予定は、おありでいらっしゃいましょうか…？

　何を隠そう、その日はオンリー・イベント「王様博覧会２」の開催日。数多くの十二国記サークルさま及びそのご本が一堂に会するという、呉剛の門も大全開な一日なのでございます。
　主催サイトさまを拝見したところ、参加サークル数がすでに１００を越えた（！）とのお知らせがありました。
　その中には「山水の箱庭」・「天山慶路」も含まれ、当日はヨウ香さまとご一緒に、合同サークル＠新名称での参加を予定しております。
　（私信返し＠交換日記：　ヨウ香さまー！後ほど諸事＠山盛りのご相談などいたしましょうねー♪）

　その名称、及び新刊などの詳細は追ってお知らせすることといたしまして、マドモアゼル方。
　当日ご都合がよろしく、かつ興味がおありでしたら、イベント会場までお運びになりませんか？　貴女の麒麟が（今度こそ）伏礼とともに、お越しをお待ち申し上げております。
　恋愛と賭け事は、先手必勝が基本。イベント開催までほぼ２ヶ月となった今、諸々の年末企画に先駆けて、まずは来たるべき逢瀬のお誘いをさし上げる次第でございます。

　そして今週末の日曜日からは、ある企画がスタートいたします。
　蓬莱ではアナリストの名を頂戴する麒麟が、いつか試みたいと願い続けてきたこの企画。年末から年始にかけて、ウィンター・スペシャルとしてお楽しみ頂けると何よりの喜びです。
　蓬莱芥瑚のマドモアゼル方。明後日トップ頁から開門の暁には、どうぞお気軽にご参戦下さいますよう…。
　

　……それは先週、木曜の朝でございました。
　前夜は平日にもかかわらず、友人と一緒に深夜まで呑んだくれ、すっきり爽やかに目覚めた翌朝。
　麒麟の左膝には、まるで葉牡丹のように見事な青あざができていました。
　
　いつもならここで、「しまった、少し飲み過ぎたか…。てへ♪」と、形ばかり反省のポーズを取るところです。
　しかしその朝、麒麟には分かっておりました。――これは、ひとり失道の予兆であると。

　 …マドモアゼル方。
　先月２６日の雑記にて申し上げた、「その手の場面、及び煩悩における描写の限界について」 をご記憶でいらっしゃいましょうか。
　「どこまで描写すべきか」などと申し上げつつ、実はあのとき内心で、
　「…とか言いつつ、いつも理性に邪魔されちゃうからなー。（←嘘をつけ）　こうして告白しておけばガス抜きにもなるし、のちのち変な煩悩も生まれなくて済むはずだ。うんうん」
　と、不埒かつ安易なことを考えておりました。
　しかしながら侮るなかれ、季節は実りの秋。――煩悩もまたしっかりと実を結んでしまいました。
　
　　　タイトルは、『半島の地図』。指定レベルはR-16でございます。

　「こんな殺風景なタイトルで、いったいどんな指定付きを？」と、久々に姿を現した内なる蒼猿が笑います。
　さよう。麒麟も確かにそう思います。
　――そしておまえは、登場するのが致命的に遅い（怒）。


　…もはや言い訳はいたしますまい。
　マドモアゼル方。このタイトルが予告編に登場の際には、何とぞハリセンを持ってお見逃し下さいますよう。
　そして、それにも増して煩悶を誘うのは、昨年秋（！）の煩悩で生まれた「恋の季節」の話にすら、いまだ更新の順番が回ってきていないこと…。
　（時折心配してお問い合わせ下さるマドモアゼル方。…大丈夫、忘れてなどおりませんとも（涙））

　やはり物事には順序というものがあろう、とうなだれつつ、この煩悩がいつか命取りになるような気がしてならないのでした…。（←遠い目とともに御前退出）
　

　金曜夜のごきげんようでございます、芥瑚なマドモアゼル方。
　まず本日は、『海の向こうからの手紙』・中篇のお届けを。天山では初めてのゲストがお一方、そして拙宅の隠れた準ヒロイン（笑）へバトン・タッチでございます。
　大分寒くなってきた１１月の週末、こちらもどうぞお楽しみ頂けますよう…。


　さて。前回の雑記で「精神的閉塞感が云々」と申し上げてしまったところ、
　　「ではいつかこの安息に飽いて、天山を閉山する日が来ると？」
　と涙声で囁く青鳥を頂戴し、麒麟はムンクの『叫び』と化しました。

　ひょーえー！！！
　き、気づかぬ内に、最大の地雷を踏んでしまっていたとは……！！！

　――虚海麒麟、覿面の罪決定。

　（かろうじて立ち上がりながら）　…大丈夫。どうかご心配なさいますな。
　現在思いつく限りのことを考慮に入れて試算しましたが、少なくとも近い将来において、閉山の文字は見当たりませぬ。万が一やむを得ないことになった場合には、麒麟の性格上、明確な形でお知らせ申し上げ、最良の手を打ちたく存じます。
　而して鑑みるに、放浪を終えた煩悩も大変すこやかですし、水面下のストック（苦）も健在ですし、イベント参加＆新刊も準備中ですし、次回オークション数値も設定したくて飛び跳ねておりますし……
　以下、強制終了。

　もしやそのようにお考えのマドモアゼルが他にも…と、無粋な話題を持ち出した失礼、お許し下さいませ。
　広大な電子の虚海、無数のオアシスがある中で、奇跡的な確率をもって頂いたご縁です。十二国記宛・景陽御中という蝕に出くわさなければ、小説を書こうとは未来永劫思いもしなかったはずでした。
　それほどに貴重なご縁のお手を取り、不肖の麒麟が謹んでエスコート申し上げます。
　どうか今はご心配などなさらず、行けるところまでどこまでも、ご一緒に参りませんか…？

　…と心を込めてお話しするうちに、何やら事態が口説き文句の様相を呈してきたことに気づき、麒麟は現在愛機ハンキョの前でもじもじしております…（照）。　（←特大ハリセン・シルヴプレ）


　そして俯き加減で顔を赤らめたまま、次回の雑記では、先日来お話ししていた、
　　「秋の煩悩・指定付き＠うっかりさっくり着地完了」
　についてご報告申し上げたく思う…　次第で…ございます…。　（←フェイド・アウトで御前退出）
　

　先週末の土曜深夜は、局地的煩悩日和でございました。
　こんなに心ゆくまで愛機ハンキョと戯れたのは、実に数ヶ月ぶり！という充実した煩悩タイム。その結果、またもや朝刊がポストに落ちる音を聞いたのですが、よくあることとしてさっくりスルーいたします。
　…こほん。

　サイト開設以来、おかげさまで順調に煩悩の成文化を行っている麒麟ですが、やはり多少のアップ＆ダウンはございます。
　そこにある映像を文章で書き移すだけ、という煩悩のイタコ状態ですので、構成やストーリーに頭を使う必要は皆無なのですが（←もしもし？）、キーボードを叩く手と煩悩が直結しない夜もあったりいたします。
　その最大の要因は、血中辺境濃度の低下。長く同じ日常にあることへの精神的閉塞感のようなものが、煩悩麒麟をして性懲りもなく出奔へと駆り立てるのでございます。
　現在、このサイクルは半年に一度であることが判明しておりまして、奇しくも台輔でいうところの「恋の季節」と一致するのですが（←待ちなはれ）、この土曜には、「煮詰まっているときには、こういう風には書けないかも」と思われる箇所も順調に仕上がり、改めて放浪の不可欠性を実感いたしました。
　――妹よ。前回の雑記に鑑みて云うならば、おまえの姉はずばり浮民です。

　とはいえ、規則正しい日常には、放浪だけでは決して得られない豊かさが。
　小説を書く上で、よかったな…としみじみ思うのは、時間の制約があることです。
　平日は蓬莱オフィスで仕事。家族や友人と過ごしたり、その他諸々の趣味に充てたり…といった時間を差し引くと、実際にＰＣに向かう時間は、実は限られていたりします。
　けれど、「障害あってこそ燃え上がるのが恋」とはよく言ったもので（笑）、時間が限られているからこそ集中燃焼できるのが、わが煩悩。
　もしあり余るほどの時間を「好きに使いなはれ」ということになれば、そこは大変自堕落な麒麟のことです。
　きっと何ひとつ書けぬまま、絵に描いたような自堕落をしてしまうに違いない 。
　――と、しばし遠い目になるのでした。


　と云う訳でございまして、マドモアゼル方。
　来年１月発行の新刊も、この週末に大枠が整いました。
　頁数は、くしくも前作と同じ１３２Ｐ。収録作品数は前回より増えて、計１５作品。サイト未発表作品も含まれ、こちらは少し長いものになる予定でございます。
　そして装丁は今回も、「電車の中で広げても大丈夫」がコンセプト（笑）。
　前作とは異なりながらも共通する装丁を施し、いずれ何冊か揃ったときには、そこはかとない統一感が生まれるように…と計画中でございます。

　今回は発行を合わせるべき日程が決まっているので、時間にゆとりを持って製作しよう！
　…と考える、「天高く煩悩肥ゆる秋」なのでございました。（しずしずと伏礼）
　

　１１月に入ってぐっと年末が近くなったように思われ、短くなる一方の陽を眺めては、冬の気配を感じる今日この頃。ボンソワールでございます、マドモアゼル方。
　本日のお届けは、「恋文�V」・その後にして、サイト上ではこの時系列の最終話に当たる、『海の向こうからの手紙』。てっきり前後編だろうと思ったのに、さっくり全３章となった後日談の、まずは前篇をお届けいたします。
　１１月の３週間を通してお届けするこちらも、どうぞお楽しみ頂けますよう…。
　（プレビューをご覧になって、「きっと『その後』があると思ってたわ」と仰って下さったマドモアゼル方。ああ、煩悩シアターの舞台裏はすでにばればれだったのですね…！（笑））

　来年明けには生涯二度目（笑）の参加となるイベントもあり、そろそろ新刊の用意を始める時期が。
　最初の本を作ったのが、今年の早春。それまで本の製作など考えたこともなく、さてどうしよう…と途方に暮れていたあのとき、唐突かつ強力な助っ人として登場したのが、わが愚妹でございました。
　その折のことは今年１月２１日の雑記に詳しいのですが、ひたすら仰天する姉の目の前で、見事な縦書き本のスタイル・シートを作成してくれたのが、彼女だったのでございます。
　先日彼女に電話をかけ、前回作ってもらったレイアウトについてあれこれ質問したのですが、そのうち話の流れは十二国記へと。
　「どうせなるなら麒麟に限る」、と愚妹は申します。
　「王の隣にちんまり座って、口清いことを言ってればいいんだもん♪」

　…おまえが毒蝮三太夫の娘でないことが不思議だよ。
　と姉は心底思います。（←そしてその場合、当然ながら管理人と愚妹との間に血縁はございません）
　しかしあれだな、と続けて彼女は呟きました。…景麒っていうのは、その中でも極めつけの麒麟だね。
　「勅命がないと、手ひとつ握らない奴だな」

　…………ぷつり。（←理性の糸と堪忍袋が切れた音）

　　　――その通りです、妹よ。
　　　そして勅命と煩悩は、そのためにあるのですよ。


　黄海で修行にいそしむはずが、なんと未熟な妖魔であることよ…と嘆息しつつ、麒麟はまだ愚妹の折伏を諦めてはおりません。
　そして上記の如く阿呆満載の会話の中でも、ふっと古代ローマ三千年（？）の叡智に満ちた深い一言を漏らすこともあったりするので、これはこれで侮れず。
　それにすかさず喰いついて新しい小説を書き上げてしまう辺り、この姉にしてあの妹ありや。

　…と、思わず俯いてしまう秋の夜長なのでございます。（嗚呼…）
　

明日は祝日。プチ出奔を控えた麒麟より、本日はすがすがしく朝のご挨拶を申し上げます。
　１１月最初の更新は、新しいトップ写真のお届けを。
　先日の放浪で撮ったばかりの新鮮な一枚、パリ・リュクサンブール公園の並木道です。

　パリ中心部を横切って流れるセーヌ左岸。地図で見ると下半分の中ほどに位置するのが、この公園。
　かつて幼少の一時期を過ごし、今でも最も愛する場所のひとつがこの一帯、５区・６区なのでございます。
　乾いた空気と青い空の下、黄葉の公園を北に抜けると、つい立ち寄らずにはいられない書店がひとつ。そこから北には、壮麗なパイプオルガンを内包したサン・シュルピス教会、さらに行くとロマネスク様式で造られたサン・ジェルマン教会が見えて参ります。
　賑やかなサン・ジェルマン大通りを東、５区の方へと歩いていくと、『貴婦人と一角獣』のタピスリーで知られる中世美術館が右側に現れ、その北側にはパリ最古の鐘を持つサン・セヴラン教会、同じくパリで最も年老いた木があるサン・ジュリアン・ル・ポール教会が。
　サン・ミッシェルと呼ばれるこの一帯は、おそらくパリ滞在には最も便利な場所。セーヌを隔てたすぐ向こう岸にはノートルダム寺院を抱くシテ島があり、対岸左のルーブル美術館までは徒歩も可能です。

　上記のように散歩を楽しみつつ、放浪麒麟は今回もくまなく煩悩の種を拾って参りました。
　――およそ２００メートルに１回の割合で。（注：上記の場所はすべて煩悩ポイントでございます）


　カルチェ・ラタンと呼ばれるこの５区は、管理人の愛する作家・辻邦生が長く暮らした場所です。
　その際のお話しも写真と合わせて…　と考えていたのですが…　今回もスペースが足りませぬ（涙）。
　（毎回、ひとつの雑記の裏には、スペースの都合で削除した話題が山のように。雑記だけなら毎日更新可能な量かと思われます…。きゅぅ）

　涙を拭い、そちらはまた日を改めてお届けするとして、まずは秋の一枚をトップに乗せてお送りします。
　　同じ場所を訪れたことがおありのマドモアゼルも、いつかご訪問予定の芥瑚方も。
　　この風景を通して、どうぞ美しい並木道の散策をお楽しみ下さいますよう…。


　　追記�T：
　　これまでトップ写真をお届けする際、「原寸大でお届けできればいいのにな…」と思いつつ、サイズに
　　合わせてカットしていたのですが、「おお！ならばもう一枚別にご用意すればいいのだ！」と思い
　　つきました。（←いささか遅きに失した感も）
　　マドモアゼル方。どうぞトップ写真をクリックなさって下さいませ。新たに現われる別窓にて、原寸大の
　　風景をご覧頂けまする。例によってお持ち帰りはご自由、「右クリック→保存」でどうぞ！なのでござい
　　ます。

　　追記�U：
　　昨夜、「３０万打前後賞だった」とお知らせ下さった延国官妓さま。航路を見失ったお返事青鳥が戻って
　　きてしまいました…（涙）。お知らせをとても嬉しく拝見し、ご芳名を謹んでリクエスト項に記名させて頂きま
　　した。お送りする「初めまして」のご挨拶とともに、どうぞお目に留まりますように…。